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成果報告会を実施しました!〜山形県・米沢市さんの伴走型リブランディング支援事業〜
aeru re-branding
- クライアント
- 米沢市さん
- 業種
- 自治体
- 所在地
- 山形県米沢市
2023年6月から、地域全体のブランド力向上を目指して山形県米沢市さんと協働で実施してまいりました、米沢市の中小企業を対象とした「米沢市伴走型リブランディング支援事業」。
対象となった3社が、その成果や自社に対する想いを、2024年2月9日の報告会において、和える代表取締役の矢島里佳をファシリテーターとして交え、語ってくださいました。
下記の方に特におすすめの記事です。
- 地域ブランド創出のための取組みに興味・関心をお持ちの方
- 自治体連携型の伴走型リブランディング事業の具体例を知りたい方
- 米沢品質AWARDへ応募を検討している方
「米沢市伴走型リブランディング支援事業」とは?
米沢市では、「米沢全体のブランド力向上を図る」ため、米沢品質向上運動による、自社のブランディングに取組む企業・団体等を応援するべく、対象企業のリブランディング支援を行っています。さらに、将来的には「米沢品質AWARD ※」への選出を促進し、更なるブランド力向上の循環を生み出すことが目的です。
※「米沢品質AWARD」とは:
米沢品質向上運動の中から生まれる、「挑戦と創造」を究め、特に秀でた米沢品質を有する商品やサービス等に対する顕彰制度です。米沢市が主催し、2023年に4回目を迎えました。
詳細はこちら
この度の事業では、和えるが「現地視察」・「オンライン伴走型リブランディングセッション(各社約10回)」という形にて、伴走してまいりました。本質的な課題を見出し、企業やブランドの哲学を言語化し、ブレない軸を整える。そのうえで、現場実務の改革・仕組みづくり等にともに取組みました。
本件に対する和えるの取組みについての詳細は、こちらの記事をご覧くださいませ。
成果報告会の動画は、こちらからご覧いただけます。
三者三様の企業の取組み
2023年度の支援対象となった企業は、こちらの3社。どのような課題を抱え、伴走型リブランディングを通じてどのような変化が生まれたのでしょうか。
1.「株式会社登起波」さん
登壇者:専務取締役 若女将 尾﨑美聡さん、登起波本店 店長 荒生義徳さん
明治27年創業、米沢市で最も古い米沢牛専門店。
地元の方々に「なかなか敷居が高く、行きづらい」というイメージを持たれがちであることが課題でした。
しかし、現地視察やセッションを通じて再認識されたのは、美味しく質のよい米沢牛を、リーズナブルとも言える価格で提供しているということ。
対話を繰り返しながら「登起波らしさ」を洗い出し、多くの方に親しみを感じていただくための新規メニュー開発や、社内制度の見直しに取組みました。
2.「今野味噌醤油醸造店」さん
登壇者:六代目 今野良輔さん
明治33年創業の無添加味噌・木桶仕込み醤油を製造している蔵元さん。
先代から受け継いだ会社の本質的な価値を問い直し、新しい醤油ブランドのPRなどに取組みました。
「家族だからこそ、曖昧にしていたところがあった」という今野さん。会社がこれまで行ってきたことを振り返り、実は理解できなかった部分を認識する良い機会になったといいます。
並行して米沢品質AWARD2023にも応募し、二年熟成木桶仕込み丸大豆無添加醤油「壱」が見事、選出されました!
3.「株式会社tree」さん
登壇者:代表取締役 金田江里子さん
コミュニケーション絵本、山菜と秘境温泉を楽しむツアー、草木塔のプロジェクトなど、幅広く事業を展開。
様々なことを手掛ける「何でも屋さん」のように見られてしまうことが課題でした。
バラバラに散らかったキーワードを、抽象度に応じて整理していき、各種事業に共通するその「軸」は何なのか、セッションを通じてじっくりと洗い出していきました。また、今後のPRの方向性をともに検討しました。
時間が経つにつれて見えてきた「伴走型リブランディング」
成果報告会では、各社の個別の報告に加え、3社と矢島でクロストークを展開しました。
各社が持つ課題やセッションの内容は異なりながらも、共通点もありました。
伴走型リブランディングの実感として、金田さんは、「米沢の人には阿吽の呼吸があるが、リブランディングを通じて意識的に考えを言語化し、よりスムーズに物事を進めていけるようになった」といいます。
また、「当初はコンサルティングのつもりでいた」「正直、最初の3ヶ月ほどは、どこに向かっているのかが分からなかった」と、荒生さんは語りました。
和えるの伴走型リブランディングは、解決策を提案するコンサルティングとは異なります。
主役はあくまで事業者さんです。
その会社の本質的な価値を洗い出して言語化するために、事業者さんに様々な角度からの質問を投げかけます。それを繰り返すことによって、和えるが答えを提示するのではなく、事業者さん本人のなかに自ずと答えが形成されていくのです。
そのため、事業者さん自身が会社やご自身に強く向き合う忍耐力が必要。
しかしそれによって、「何となく決める、ということがなくなっていく。決定に根拠や自信が持てる」と、今野さんは力強くおっしゃっていました。
この共通のプロセスを経験した三者は、「大変だった」と言いながらも、晴れやかな笑顔を浮かべていました。
米沢ブランドを、共に創り上げていく
個社のリブランディングももちろん大切ですが、同時に米沢市さんのように、その地域の自治体が想いを持ってサポートしながら、地域全体として同じ方向を向き、ブランド力を向上していくことも重要です。
今回の報告会では、各社が自社だけでなく、お互いの会社を見守り、助け合う姿勢を持っていらっしゃる様子が垣間見えました。
尾﨑さんは、「地域の皆を巻き込まないと、理想とする『登起波さん』が出来上がらないと感じた。一社だけでは限界がある。米沢市にある他の企業を巻き込んでさらにいいものを作っていきたい」と力強く伝えてくださいました。
そのようにして共に取り組むことで、総合力が高まり、「選ばれる地域」として魅力を増していくのです。
▲米沢市さんより、「米沢品質向上運動」についての概要をご説明いただきました。
「地域のブランド力向上・地域活性化」に携わる自治体の方へ
和えるではこれまで、地域の大切な伝統を次世代につなぐため、「地域の中小企業」を対象とした「伴走型リブランディング事業」の “aeru re-branding”を進めてまいりました。
近年では、行政主体のリブランディングプロジェクトに携わることも増えており、より多くの、リブランディングを必要としている地域の中小企業さまに出逢い、地域全体を元気に活性化していくためには、全国各地の自治体さまとの連携が必要不可欠です。
「伴走型リブランディングで地域の中小企業を応援したい」
「地域の未来にとって重要な、経済と文化を官民一体となって盛り上げていきたい」
「地域の大切な伝統を、次世代につなぎたい」
という自治体のご担当者さまは、ぜひ一度、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。
その他、伴走型リブランディング事例:
奈良県奈良市さんとの協業『地域の工芸や地場産業を次世代につなぐ、官民一体の伴走型リブランディング支援』(記事はこちら、テレビアーカイブ動画はこちら)
福井県鯖江市の老舗眼鏡メーカーのリブランディング『経営資源の選択と集中を支える、ブランド哲学の言語化』(記事はこちら)
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和えるでは、次世代に日本の伝統や先人の智慧をつないでいくことにご興味をお持ちのみなさまと共に、さらに事業を展開していきたいと考えています。
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