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プロが教える「メディアが本当に伝えたくなるブランド」~ディスカバー・ジャパン高橋俊宏氏による公開講座~

aeru re-branding

クライアント
奈良市観光経済部産業政策課さん、奈良商工会議所さん
業種
自治体
所在地
奈良県奈良市

奈良の工芸を次世代につなぐために発足した「Nara Crafts’ Cross Project」。
本記事では、2022年11月9日に行われた高橋俊宏氏による公開講座の様子をレポートします。

「メディアに取り上げたい!と思ってもらうには?」
「メディアとSNS、どちらが効果的?」
そして講座の最後には、工芸作家の皆様から、高橋俊宏氏へ直に売り込むPRタイムも設けました。白熱の公開プレゼンの結果はいかに?

Nara Crafts’ Cross Projectについて

Nara Crafts’ Cross Project とは、“次代の工芸作家のフロントランナーを創出する”をコンセプトに、次代の工芸作家の活躍を多面的に支援するプロジェクト。「伴走支援×公開講座×販路拡大」と3つの切り口から構成されています。

第2弾となる今回の公開講座、講師は日本のモノづくりを伝えるプロ。自らの作品をどのようにメディアへPRしていくべきか、メディア側の目線から学ぶべく開催されました。

Nara Crafts’Cross Projectでは、昨今の変化の激しい時代の中でも自分自身のビジョンや戦略を見据え、工芸活動を営む方々に対し、経営やブランディング、マーケティングというアプローチからの多角的な支援を通じて、工芸作品や技術を新たな時代に繋げていくための取組を行います。

講師紹介 高橋俊宏氏

岡山県生まれ。建築やインテリア、デザイン系のムックや書籍など幅広いジャンルの出版を手掛けたのち、2008年に日本の魅力を再発見をテーマにした雑誌、Discover Japanを創刊。編集長を務める。2018年11月に株式会社ディスカバー・ジャパンを設立し、代表取締役社長兼統括編集長を務める。雑誌メディアを軸に、イベントや場づくりのプロデュース、デジタル事業や海外展開など積極的に取り組んでいる。

▲Discover Japan 2017年9月号「職人という生き方」表紙。

どんなにいいモノづくりでも、売り込まなければ始まらない

全国津々浦々、これまで1,000以上の自治体にて日本のモノづくりを取り上げてきた高橋氏。そんな高橋氏が語る「メディアが取り上げたくなるモノづくり」とは何なのか。場内の期待も高まります。

「取り上げたいと思わせるには、まず情報発信

  • どんなにいいモノづくりをしていても、売り込まなければ始まらない
  • プレスリリースを作り、メディアへ送ってみる
  • メディアの問い合わせフォームからアプローチしてみる

では、どんなプレスリリースを作ればよいのか。「日々大量のプレスリリースや問い合わせが届く中、自らの魅力を的確にとらえた自己紹介と美しいビジュアルがあると光る」と高橋氏は説きます。

そして情報発信において忘れがちなのが、「どんな人に受け取ってほしいのか」のイメージを持つこと。
どんな趣味趣向で、どんな服装を好み、どんな暮らしをしている方に、届けたいのか。自分のモノづくりを受け取る人を、細部まで思い描く。出口のイメージを持つことが、取り上げたくなる情報発信の第一歩と言えそうです。

メディアを通してお客様の顔を見る

情報発信が大切!というのは分かるけれど、果たしてどのメディアに売り込めばいいのか。メディアとの上手な付き合い方を、高橋氏が教えてくださいました。

  • メディアの特性をつかみ、ターゲットを決める
  • メディアによって顧客層が異なるため、「このメディアに載る=こういった層の人に届く」と想像できる
    自分が届けたい人を顧客層に持っているメディアをターゲットにできる

「メディアとお付き合いするということは、自分のモノづくりがどういう方向に向かっていくのか、どんなお客様に届いていくのかを知る手段にもなる。メディアを通してお客様の顔が見えるようになる

自分のモノづくりの出口を見る。メディアの活用が、そのヒントになる。メディアをいい意味で活用するという発想は、作り手の皆様に新鮮に響いているようでした。

メディアとSNS、どちらが効果的?

確かに、メディアとのお付き合いは大切。でも今のご時世、SNSの方が効果があるのでは?高橋氏の考えは、「メディアもSNSも、どちらも上手く活用すべし。」
それぞれの特長と活用方法を教えていただきました。

  • メディア=それぞれのメディア独自の世界観がある。お金を出して買ってもらう分、信頼性もある。
  • SNS=ファンづくりの場。
  • メディアとSNS、どちらも重要。メディアに露出することで信頼性を高められる。SNSで話題になればメディアが取り上げたくなる。

高橋氏が強調されたのは、「情報発信=ブランドづくり」であるということ。
情報発信を通じて、ブランドの価値を高めることができる。そのためにぜひ、メディアを上手く活用してほしい。高橋氏の日本のモノづくりのファンとしての熱い想いが、参加者の皆様にも届いているようでした。

Discover Japan創刊の経緯も、高橋氏ご自身が北欧で日本の魅力を再発見したことにあった、と言います。自分が財産だとは思っていなかったものを、再発見する。過去を振り返り、磨き直す。

モノづくりだけでなく、全ての業界・サービスに通ずる本質に、参加者の皆様も大きくうなずかれていました。

実践!メディアへの売り込みタイム!

売り込みのポイントを教えていただいたところで、お待ちかねの公開プレゼンを開催!

まずは、赤膚焼作家の菅原氏より、生き物を作品に取り入れた独自の作風を語ります。

「生き物が大好きで、自分のアイデンティティ」
「江戸時代末期に作られた、かぼちゃにセミがついた作品に着想を得た」と話す菅原氏に呼応し、
「なぜかぼちゃにセミだったんだろう。そこにも理由がありそう」と高橋氏。

ストーリーの細部に至るまで、何か理由があるはず。メディアはそれこそが聞きたい、と。一つひとつを深掘りして厚みのあるストーリーにする、その過程を垣間見た気がしました。

続いては、奈良団扇・池田含香堂の池田氏。

奈良団扇の歴史や、ご自身の奈良団扇にかける想いを熱く語っていただきました。
全国を回り団扇について勉強したが、やはり奈良団扇が一番優れているという自負をお持ちで、

「一人でも多くの方に奈良団扇を届けたい」との熱意に、高橋氏はじめ参加者の皆様も聞き入ります。
「自分で風を起こして涼をとる団扇は、日本独自の文化。今はSDGsの文脈でもお伝えができそう」
奈良に来たら、みんな奈良団扇で涼んでいる。そんな奈良の夏の風物詩的存在になったら面白いと思う」と、メディア目線からのアイデアもいただきました。

最後は、奈良晒を手がける岡井麻布商店の岡井氏。
奈良晒の歴史、岡井麻布商店の歴史。そしてコーヒーフィルターの提案。

「豆は麻袋に入れて保管されるため、相性はいいと思った」
「コロナ禍で家時間が増え、オンオフの切り替えのきっかけにしてほしいという想いでAt Work, After Workと2種のフィルターを用意している」

ストーリーのある提案に、高橋氏も「いいですね。伝統が現代にアップデートされている」と興味津々で聞かれていました。

参加者のみなさまからのご感想

  • ストーリーを紡ぐ重要性、どんな職業にも必要だと改めて感じました。
  • 発信するだけではなく、出口まで考える、という点が印象的だった。出口があるというのは、とても魅力的だと感じた
  • 「北欧のいいものを探しに行ったら日本にもあった」というお話は、職人でも同じことがあると思う。外を見ていたら、いつの間にか自分の再発見をしていた、ということがある。

モノづくりに関わる全ての方へ、公開講座のご案内

第1弾はバイヤーのプロ、第2弾はメディアのプロを講師に招いて開催してきた公開講座、第3弾となる次回は、文筆家の塩谷舞氏をお迎えし「SNSを通したファンづくり」をお届けします。双方向の講座を通じて、工芸のこれからについて考え、学ぶきっかけとなる公開講座。奈良市内外に関わらず、モノづくりに関わる全ての方に参考にしてもらえる内容となっております。公開講座はオンラインでもご視聴いただけます。ご興味をお持ちの方は、ぜひご参加くださいませ。こちらからお申込みいただけます。

“aeru re-branding” に、ご興味をお持ちの方へ

和えるでは、会社やブランドを末長く持続的に継承していきたいと考えていらっしゃる、経営者の皆様のお手伝いをする、“aeru re-branding”事業を進めております。
企業や事業、ブランドの原点に立ち戻り、「自分たちは何のために存在しているのか。」その本質を問い直し改善策を共に考案、現場の実務に落とし込み、未来へつなげるための具体策を提供いたします。
ブレない軸を見つけ出し整え、実際の業務やビジネスモデルを見直すことで、矛盾のない意思決定の早い組織作り、素直なブランド作りを行うことなどの伴走型支援を行っています。
会社やブランドの本質を捉えるために寄り添い、言語化することから、商品開発、ビジネスモデル考案、現場実務への落とし込みまで、様々な角度でお手伝いができる“aeru re-branding”事業へご興味をお持ちの方は、お気軽にこちらまでお問い合わせくださいませ。

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