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ブランドイメージの見直しから採用活動まで。「企業の幹を言語化する」令和6年度 米沢市伴走型リブランディング支援事業の成果報告会を開催

aeru re-branding

クライアント
米沢市さん
業種
自治体
所在地
山形県米沢市

今年度、2年目を迎え、新たに支援対象を4社に拡大しスタートした「米沢市伴走型リブランディング支援事業」。
2025年2月20日に、4社が一堂に会した成果報告会を開催いたしました。

伴走型リブランディング支援事業の開始後、約半年間の中で取り組んできたこととは。
そしてその道中で得た成果や課題とは。

和える代表・矢島をファシリテーターに交え、企業そして、米沢市の未来に向かって歩む4社の今をお届けいたします。

下記の方に特におすすめの記事です。

  • 地域ブランド創出のための取組みに興味・関心をお持ちの方
  • 米沢品質AWARDへ応募を検討している方
  • 自治体連携型の伴走型リブランディング事業の具体例を知りたい方

「米沢市伴走型リブランディング支援事業」について

米沢市では、「米沢全体のブランド力向上を図る」ため、米沢品質向上運動による、自社のブランディングに取組む企業・団体等を応援するべく、対象企業のリブランディング支援を行っています。さらに、将来的には「米沢品質AWARD ※」への選出を促進し、更なるブランド力向上の循環を生み出すことが目的です。

※「米沢品質AWARD」とは
米沢品質向上運動の中から生まれる、「挑戦と創造」を究め、特に秀でた米沢品質を有する商品やサービス等に対する顕彰制度です。米沢市が主催し、2024年に5回目を迎えました。
詳細はこちら

この度の事業では、和えるが「現地視察」・「オンライン伴走型リブランディングセッション(各社約7回)」という形にて、伴走してまいりました。本質的な課題を見出し、企業やブランドの哲学を言語化し、ブレない軸を整える。そのうえで、現場実務の改革・仕組みづくり等にともに取組みました。
本件に対する和えるの取組みについての詳細は、こちらの記事をご覧くださいませ。

成果報告会の動画は、こちらからご覧いただけます。

4社それぞれの伴走型リブランディング

2024年度の支援対象となった企業は、こちらの4社。伴走型リブランディング支援事業のプロセスと成果、課題を振り返りました。

1.「株式会社栄進鈑金製作所」

登壇者:代表取締役社長 間山幸光さん、取締役 間山倫子さん、社内ベンチャー代表・企画営業グループリーダー 金子善美さん
これまで培ってきた確かな技術力と工場設備を用いて、大型筐体の製作、量産に秀でた板金のプロフェッショナル。

取組んだ課題

「楽しくやりがいある仕事」イメージの社内外への浸透

伴走型リブランディングで実施した内容

  • 企業文化の言語化、目指す方向性の整理
  • 採用制度・人材育成制度の整理
  • スキル・キャリアプランシートの作成と運用
  • 地域貢献活動の位置付けの確認
  • 米沢品質AWARD申請資料のフォローアップ

伴走型リブランディングの感想

企業のめざす方向性を表す、ありたい姿を「地域に愛される会社」と定めました。代表取締役社長の間山幸光さんは、今回の伴走型リブランディングを通じて「自社には熱意をもって働く社員が沢山いることや、米沢市の魅力を再確認することができた」といいます。
また、「企業のめざす姿を議論したことによって会社が求める人材像が鮮明になり、採用活動にも変化が生じた」と語りました。

2.「株式会社EDEN」
登壇者:代表取締役 我妻拓也さん、取締役 我妻飛鳥さん
明るく楽しい農業をモットーに、すいかを中心とした農作物をまごころ込めて生産している農業法人。

取組んだ課題

ブランドイメージの見直し

伴走型リブランディングで実施した内容

  • 「EDEN」を表すワンメッセージの検討
  • これまでの取組みと、目指す方向性の整理
  • ブランドイメージの方向性の整理
  • ブランドロゴのデザインの検討

伴走型リブランディングの感想

「農業を始めてから10年。変革期を迎えていた中で対話を重ねた結果、会社の根底には“笑顔”があることを再認識しました」と取締役の我妻飛鳥さん。
今回の伴走型リブランディングでは、「農業から笑顔の循環を伝える」という、企業の目指す姿の明確化に加え、ブランドを象徴するロゴの改変にも取組みました。
代表取締役の我妻拓也さんは「従業員と共に議論を重ね、会社の根幹を再確認できたことで、自分ごと化され、一層社内の団結力が増した」と振り返りました。

3.「有限会社 登府屋旅館」

登壇者:代表取締役 遠藤直人さん
バリアフリーや落語など、枠にとらわれず、旅館の可能性を追求し「米沢品質AWARD2019」を受賞。その後も混浴貸切サウナなどの挑戦と創造を続けている旅館さん。

取組んだ課題

多角化したサービスの根幹の整理

伴走型リブランディングで実施した内容

  • これまでの取組みの洗い出しと整理
  • 取組みを包括する根幹の確認
  • ワンメッセージとその説明の検討
  • 米沢品質AWARD申請資料のフォローアップ

伴走型リブランディングの感想

落語やサウナといった経営者の遠藤さんが「好きなこと」
一泊二食付き、素泊まり、サウナ日帰り利用など、お客様毎の「好きなご利用方法」
旅館としてのご利用だけではなく「“隙”間時間」に様々な使い方ができる
自社の根幹を見つめ直し、この3点を総称し「すきにつながる宿」をワンメッセージとして紡ぎ出しました。
遠藤さんは「“幹=会社の軸”と“枝葉=事業”を整理整頓した上で、ホームページ等で適切にお客さまへPRをしていく必要がある」と今後の課題も語りました。

4.「民謡一家」

登壇者:三代目 佐藤仁一さん
米沢に伝わる民謡をはじめ、和太鼓、津軽三味線などを用いた郷土芸能を今に伝え、つないでいき、地域を盛り上げる芸能団体。

取組んだ課題

活動の幅を広げたい

伴走型リブランディングで実施した内容

  • 「民謡一家らしさ」「佐藤仁一らしさ」の整理
  • 団体活動・個人活動の内容の整理
  • ワンメッセージ(肩書)の検討
  • 発信方法の検討
  • Webサイトの見直し

伴走型リブランディングの感想

民謡一家の事業形態を見直し、民謡一家と佐藤さん個人での事業活動を分けた運営の検討を進めました。団体と個人を分けた事業を展開することによって、お客さまのさまざまなニーズに応えていくことができます。
佐藤さんは「団体と個人を分けた事業運営のご提案に、なるほど。と思いました」
「この先、自身がどのような表現をしていきたいのか、自己対話を重ねながら検討していきたい」と今後の意気込みを語られました。

「伴走型リブランディング支援事業」がめざすもの

成果報告会の後半は、4社と代表の矢島とでクロストークを実施しました。


「最初は何をしているのか、どこに向かっているのか分からなかった」という、我妻さんと遠藤さん。
しかし、対話を重ねていった結果、企業のありたい姿=ワンメッセージを紡ぎ出すことができ、あらゆる事業活動に繋がりが出てきたといいます。
4社とも事業活動の羅針盤となる「ワンメッセージ」の重要性を肌で感じ、伴走型リブランディング支援事業の成果を改めて実感されていました。

伴走型リブランディング支援事業は、一般的な解決型のコンサルティングとは異なります。
和えるが答えを提示するのではなく、和える(他者)を介して自己対話を繰り返していただくことによって、事業者さん自身がお持ちの「幹」を言語化するお手伝いをしています。
自己対話を繰り返し磨き上げていくプロセスは決して平坦な道のりではありませんが、一度「幹」にたどり着いていただけると、ブレない軸として定まり、全ての事業活動が繋がっていくものだと考えております。

自治体と企業とが同じベクトルを向き歩むこと

「米沢市は企業に寄り添い対話を重ね、政策に反映してくれる自治体」と語るのは遠藤さん。
続けて、「他県や他市区町村が展開しているような施策をそのまま横展開する自治体も少なくないが、米沢市は親身になって困り事や、必要な政策についてヒアリングをしてくれた」
「米沢のように対話する自治体と企業が増えるといいなと思います」と語りました。
米沢市さんのように、その地域の自治体が想いを持ってサポートしながら、地域全体として同じ方向を向き、ブランド力を向上していくことが重要です。
そのようにして共に取り組むことで、総合力が高まり、「選ばれる地域」として魅力を増していくのです。

「地域のブランド力向上・地域活性化」に携わる自治体の方へ

和えるではこれまで、地域の大切な伝統を次世代につなぐため、「地域の中小企業」を対象とした「伴走型リブランディング事業」の “aeru re-branding”を進めてまいりました。
近年では、行政主体のリブランディングプロジェクトに携わることも増えており、より多くの、リブランディングを必要としている地域の中小企業さまに出逢い、地域全体を元気に活性化していくためには、全国各地の自治体さまとの連携が必要不可欠です。

「伴走型リブランディングで地域の中小企業を応援したい」
「地域の未来にとって重要な、経済と文化を官民一体となって盛り上げていきたい」
「地域の大切な伝統を、次世代につなぎたい」

という自治体のご担当者さまは、ぜひ一度、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

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和えるにご興味をお持ちくださり、ありがとうございます。

和えるでは、次世代に日本の伝統や先人の智慧をつないでいくことにご興味をお持ちのみなさまと共に、さらに事業を展開していきたいと考えています。
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