そよそよと春風が吹き、
東京直営店「aeru meguro」には、桜の花びらも舞い込んでおります。
そんな「aeru meguro」の窓際に、4月2日より展示させていただいているのが、
「京ものユースコンペティション」の2016年のグランプリ・準グランプリ受賞作品です。

京都市主催の、こちらのコンペティションは、
2013年の第1回目から、和える代表の矢島が審査員を務めさせていただいており、
現代のライフスタイルに溶け込む「京もの」の表彰を通して、
京都の若手職人さんを発掘・支援したいという想いが込められています。

今回は、準グランプリの
乙井一貴(おといかずき)さんの京扇子『かはほりあふぎ』と、
涌波(わくなみ)まどかさんの京焼・清水焼『カッペロ ディ プレーテ』について、
ご紹介します^^

●準グランプリ 京扇子『かはほりあふぎ』


「かはほり」とは、古語で「こうもり」を意味します。
すっとした黒いフォルムと、
左右非対称形の、手になじみやすいようにデザインされた親骨が特長的です。

受賞者の乙井一貴さんは、
壊れた扇子を直しながら、町々を廻った江戸時代の扇子職人の行商をヒントとし、
「仕立て直し」という文化を蘇らせたいという想いで、
協力いただける扇子店にて、こちらの京扇子の修理を可能としました。

普段、会社員をされている乙井さんは、
京扇子職人さんや、工業デザイナーの方、
そしてクラウドファンディングで支援してくださる方など、
多くの方と一緒にこの京扇子を作り上げました。

伝統の技術と現代の感性を和えて、
「仕立て直し」をしながら長く使えるような扇子を作りたいという想いが
込められているのですね^^

●準グランプリ 京焼・清水焼『カッペロ ディ プレーテ』

こちらの器は、京焼の青磁に、
福岡県の小石原焼の「飛び鉋」という装飾が入っています。
実は、涌波さんのご実家は、福岡県の小石原焼の窯元。
そして、京焼で青磁をつくる窯元の方とご結婚されました。
この器は、お二人が出逢い、
2つの産地の特長が合わさったからこそ、生まれたのですね。

しかし、2つの産地の強みを活かした作品にたどり着くまでには、
10年ほどかかったのだとか…!
先日、器をお作りになった涌波まどかさんが「aeru meguro」にいらっしゃり、
お話を伺うと、伝統産業の世界の「目には見えないタブー」を感じ、
主に茶道具などに使われてきた京焼の青磁と、
暮らしの中で身近に使われてきた小石原焼を、
簡単には融合できなかったとのこと。

そこで、お茶席で使われるような花器や水差しには装飾を入れず、
日常的に暮らしの中で使う器に、小石原焼の装飾を施して展示会に出展すると、
想像していたよりも良い反応が返ってきたとのこと。
伝統を守りつつ、新たな挑戦のために
一歩踏み出すことで生まれた作品なのだと感じました。

また、この青磁の色味についてもお話を伺いました!
涌波さんがいらっしゃる、京都の窯元では、
青磁用の土からお作りになっているとのこと。
白い土に青磁の原料などを練り込んで、さらに釉薬をかけることによって、
より深みのある青が表現できるのだそうです。
ぜひ、「aeru meguro」に見にいらしてくださいね^^

次回は、「京ものユースコンペティション」
2016年グランプリ・藤田美智(ふじたみさと)さんの
京焼・清水焼『お茶目饅頭喰い人形』をご紹介したいと思います。

「aeru meguro」ホストシスター松下