2018.06.07
初めての「型染め」体験! ~6月10日まで、型彫り・型染め・織りをテーマの展示会が東京松屋さんにて開催~
こんにちは、aeru meguroホストシスターの松下です。
みなさま、こちらの茶色の紙、一体何だと思われますでしょうか。
少し鼻を近づけると、煙でいぶされたような日本らしい香りがします。
こちらは、染を施す際に使われるお道具の一つ、「伊勢型紙(いせかたがみ)」。
職人さんが美濃和紙を3枚貼りあわせ、柿渋で染めた後、
燻煙・天日干しを繰り返して作った「地型紙(じがたがみ)」を作り、
また別の職人さんが手彫りを施すことで、様々な紋様の「伊勢型紙」が生まれます。
伝統的な伊勢型紙を用いて、着物や帯などを染め上げる、型染め。
aeruの『東京都から 江戸更紗の おでかけ前掛け』も、
この技術を用いて、江戸更紗の職人さんに丁寧に染めていただいております。
初の型染め体験!〜型紙から生まれる、様々な表情〜
先日、なんと私もこの型染めを初体験。
型彫り・型染め・織りをテーマにした展示会「カタコトの会展」にて、
実際に江戸更紗の職人さんにお教えいただきながら、
江戸更紗のコースターを作りました!
使ったのは5枚の型紙。
1枚の型紙で1色ずつ染め上げ、それを重ねていくことで全体の絵柄が浮かび上がります。
布地の上に型紙を載せ、上から「丸刷毛(まるばけ)」とよばれるお道具で、
撫でるようにして色をつけていきます。
色はaeruの『おでかけ前掛け』でも使わせていただいている、
土からとれた顔料「ベンガラ」を用いました。
この「ベンガラ」は、顔料を作る職人さんが、
土を焼いて取り出した酸化鉄を調合し、様々な色を生み出して作られたもの。
この「ベンガラ」をつけた「丸刷毛」で型紙を撫でると、
型紙の彫られた部分に色がついていき、
型紙をめくるたびに新たな表情に出逢うことができました。
「丸刷毛」は顔料の吸い込みが良いとされる鹿の毛でできており、
力をいれずに素早く動かすことで、ムラなく色をつけていくことが重要とのこと。
しかし、初めての私にとっては、
どうしても細かい彫りの部分に染め残しが生まれてしまったり、
濃いところや薄いところが現れてしまったり。
ムラなく染め上げることの難しさを実感いたしました。
職人さんによると、「丸刷毛」が作られる際には、
砂や椿の灰を入れ込みながら鹿の毛を束ねて固定し、重みを持たせるのだそう。
「丸刷毛の重みだけで染めるのです。型紙の上を動かすときに、
力は全く入れていないんですよ。」と、職人さん。
こちらの「丸刷毛」は東京直営店「aeru meguro」でも
展示させていただいておりますので、
ぜひお手にとってご覧いただけますと嬉しいです。
型紙を使い分け、なんとか完成!
紋様は江戸時代の頃の「和更紗」を再現した花模様です。
輪郭の線を染め上げるための型紙、
花の部分・葉の部分を染め上げるための型紙、
背景の部分を染め上げるための型紙を使い分け、
組み合わせ次第で様々な風合いのものを作ることができます。
すべての型紙を使って仕上げることもできれば、
輪郭線だけの型紙を使って仕上げることもでき、
参加されたみなさま、それぞれ個性あふれる作品が出来上がっておりました^^
今回の体験で感じたことは、型染めの奥深さ。
同じ型紙から様々な表現を生み出すことができることに大変驚きました。
また、地型紙を作る職人さんや、それを彫る職人さん、そして
顔料や丸刷毛などを作る職人さんがいて、初めて染を施すことができることも学ばせていただきました。
どの工程が欠けても完成しない型染めには、
それぞれの職人さんの技や先人の智慧が結集し、
初めて私たち、暮し手の手元に届いているのだと実感しました。
職人さんの技や想いに出逢う〜カタコトの会展〜
6月10日まで開催されている、展示会「カタコトの会展」では、
そんな型彫り・型染めなどの技術を活かして生まれた、
着物や反物など展示されております。
また、伊勢型紙を彫る際のお道具などもあり、
職人さんの技や魅力に出逢うことができますので、
どうぞお楽しみくださいませ。
昨年2017年から始まり、第2回目となる今回。
職人さんの実演やトークイベントなども開催予定でいらっしゃいます。
<カタコトの会展 第2回>
会期:2018年6月10日(日)まで
時間:11:00~18:00 [最終日17:00終了]
会場:東京松屋インテリア和紙ショールーム・ショップ
4階庭園ホール・4階和室アネックス・2階展示場
入場料:無料
伊勢型紙や型染めに触れる
aeruの東京・京都の直営店では、
伊勢型紙を用いた絵はがきづくりのワークショップを常時開催中です。
「どの絵柄がいいかな?」
子どもから大人まで、たくさんの方に体験していただいております。
◯東京直営店での開催はこちら
◯京都直営店での開催はこちら
自分で手作りしたものは、より愛着が湧き、お家にお迎えすると
なんだか温かい気持ちになります。
ぜひみなさまにも型染めの魅力に触れていただき、
一緒にはがきづくりができますと嬉しいです^^
私は、今回作らせていただいたコースターを
どのように使おうか、とてもわくわくしております。
「知人が家に来た際にはどれを出そうかな?」
「一つは花瓶を置く敷物にしようかな?」
職人さんの技をそばに感じながら暮すことはとても楽しいですね^^
今後も、実際に体験して学ばせていただいたことを、
みなさまにたくさんお伝えしてまいりたいと思います!
aeru meguroホストシスター松下