CASES

青森県弘前市さんと共催で、東京「aeru meguro」にて「津軽の手仕事展」を開催しました

aeru space

aeru gallery

クライアント
青森県弘前市さん
業種
自治体
所在地
東京「aeru meguro」

2019年10月28日〜12月21日までの間、“aeru space”事業として、青森県弘前(ひろさき)市さんと「津軽の手仕事展」を共催いたしました。

“aeru space”事業とは、東京「aeru meguro」や京都「aeru gojo」を貸出したり、出張やオンラインにて“心地よくモノや人に出逢える空間”を生み出したりすることで、商品の展示・販売会やイベントを企画運営する取り組みです。

今回は青森県弘前市さんからお声がけいただき、東京「aeru meguro」を会場として、青森県の職人さんの手仕事に出逢える展示販売会およびイベントを開催。どのようなものをお手にとっていただくのか、期間中にどのようなワークショップを行うのかという企画段階から、展示のキュレーション、期間中のご案内まで、和えるの専門スタッフが携わりました。
期間中はたくさんの方がお越しくださいました。ここでは、そんな「津軽の手仕事展」の熱気あふれる様子をお届けいたします。

人々の暮らしに寄り添った、弘前の工芸

しんしんと雪が降る弘前で生み出された工芸には、大切な人を想う気持ちが詰まっています。

例えば、麻の布に刺し子をほどこした「こぎん刺し」

▲弘前こぎん研究所にある織り機。今もなお現役です!

津軽の農民たちは麻の着物しか着ることがゆるされなかった江戸時代に、冬の厳しい寒さを少しでも和らげようと、布の目を木綿の糸で刺してふさいだことが始まりだそうです。
せっかく刺し子をほどこすのなら、見た目にも楽しく、美しく。
そうして様々な模様が生み出され、今では40種類ほどの基礎模様が存在し、組み合わせによって、美しい幾何学模様が生み出されます。

続いては、下川原焼の「鳩笛」
「鳩笛」は、冬のあいだ室内でも遊べるようにと、子どもたちのために作られたおもちゃです。
鳩の形に成形された土を素焼きし、一つひとつ手作業で絵付けをしていきます。

期間中は、この「こぎん刺し」「鳩笛」をはじめ、「津軽塗り」「津軽焼」「津軽打刃物」などの工芸品を約50点、展示・販売しました。
▲絵付けをする前の鳩笛

▲絵付けをするとこんな感じに。実際に吹けるんですよ^^

▲【番外編】鳩笛がブローチになりました。かわいい!

大迫力のねぷた絵が飾られた「aeru meguro」で、50点の工芸品を展示販売

10月28日〜11月30日までの間、店内にはねぷた祭りで実際に運行した「ねぷた絵」を展示しました。

間近で見るねぷた絵は、迫力満点!
よく見ると、えんぴつで下書きした跡があったりと、絵師さんの息遣いがよく感じられます^^

ちなみに、よく耳にするのは「ねぶた祭り」ですが、これは青森市で行われるお祭りのこと。弘前市は「ねぷた祭り」と、半濁音になるのです。

▲大きなもので高さ9mもある大小約80台のねぷた(山車/だし)は、7日間にわたり市内を運行します。

▲「aeru meguro」に飾られた、運行で使われたねぷた絵。夜になると迫力が増します!

ねぷた絵に見守られながら展示販売されたのが、「津軽塗り」「津軽焼」「津軽打刃物」などの工芸品およそ50点!先述の「こぎん刺し」「鳩笛」もお子さまから大人の方まで、たくさんの方にお手にとっていただきました。

▲津軽塗りの中でも最も代表的な「唐塗り」を施したスプーン・フォークセット。『青森県から 津軽塗りの こぼしにくいコップ』の職人さんが作られたものです。

▲津軽焼で作られた、百名山にも選ばれている「岩木山」の箸置き。『青森県から 津軽焼の こぼしにくい器』の職人さんが作られたものです。

▲350年以上の歴史がある「津軽打刃物」。刀鍛冶職人さんが作ったペーパーナイフは切れ味抜群です。

▲こぎん刺しのくるみボタン。ヘアゴムを通せば、ヘアアクセサリーにもなります。

▲下川原焼の鳩笛。青、赤、オレンジ、ピンクなど色とりどりの絵付けがされています。

▲手仕事展の様子は青森の地元テレビ局に取材され、和えるの髙橋がインタビューをお受けしました。

津軽塗りの職人さんを東京へお招きし、スプーンの研ぎ出し体験を開催

11月9日・10日は、弘前から津軽塗りの職人さんが東京「aeru meguro」へお越しくださり、津軽塗りのスプーン研ぎ出し体験を開催しました!

▲2日間で20名の方に参加いただきました

今回体験いただいたのは、津軽塗りの代名詞とも言える「唐塗り」の工程です。

唐塗りは『青森県から 津軽塗りの こぼしにくいコップ』にも使われている柄なのですが、この模様、どのように作られているか、ぜひ想像してみてください。

▲『青森県から 津軽塗りの こぼしにくいコップ』(乳白唐塗り)

筆などで描かれているように見えますが…
実は何度も何度も塗り重ねた漆を、研ぎ出すことによって、世界にひとつだけの美しい模様を生み出しているのです!

▲津軽塗りの技法、唐塗りの工程。約50もの工程をおよそ3カ月弱かけて、1つのコップが完成します。

▲目の粗さが異なるサンドペーパーを何枚も使って、研ぎ出していきます。

これぞ、雪が降り続ける長い冬をじっと耐え抜く津軽の人々の気質を表していますね。

今回は、職人さんに研ぎ出す前の漆塗りのスプーンをご用意いただき、参加されたみなさまに研ぎ出す工程を体験していただきました!

▲研ぎ出し前のスプーン

▲研ぎ出し後のスプーン

▲親子で参加!一番左が津軽塗り職人さんです。

▲大人も研ぎ出しに没頭。みなさんとっても真剣です。

職人さんが合間合間で実演をしてくださり、会場からは「音が違う」「やすりが指の一部みたい」「速い」など、職人さんの技に感動の声が上がりました。

ちなみに今回は30分ほどかけて参加者のみなさまに模様を研ぎ出していただいたのですが、なんと職人さんはスプーン1本を5分で仕上げるそう。
自分で実際に体験してみることで、職人さんの凄さを体感できたひとときでした。

職人さんのミニトークイベントも開催

ワークショップ後は、和えるの森が聞き手となり、ミニトークイベントを開催しました。

▲津軽塗り職人の小林正知さん(右)と和えるの森(左)

「津軽塗りとは何か」「津軽塗りの原材料となる、漆はどうやって採れるか」といったお話や、「なぜ職人になろうと思ったか」「職人としてどのようなチャレンジをしているのか」など、会場からは職人さんへたくさんの質問が飛び交いました。

▲漆が採れる工程を説明する、津軽塗り職人の小林正知さん

ねぷた絵の展示、約50点の工芸品の販売、職人さんをお招きしたワークショップと、盛りだくさんの内容でお届けした「津軽の手仕事展」。
今回のイベントを通して、みなさんの暮らしがより豊かで楽しくなるきっかけづくりができましたら、大変
嬉しく思います。

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「津軽の手仕事展」概要
日時:2019年10月28日〜12月21日
場所:aeru meguro(各線目黒駅より徒歩3分)
内容:
・津軽塗り、津軽焼、こぎん刺しなど青森県弘前市の工芸品の展示・販売
・津軽塗りの職人さんをお招きした、津軽塗りスプーンの研ぎ出し体験の実施
共催:青森県弘前市
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イベント開催や展示販売会をご検討のみなさまへ〜”aeru space”事業のご案内〜

「津軽の手仕事展」のように、和えるが生み出した東京・京都の空間をお使いいただき、日本の伝統に出逢う場を作りたいと思っていらっしゃる方、また、ご自身のお持ちのスペースやオンライン上にて和えるの専門スタッフが企画運営をお手伝いさせていただき、イベントを行いたいと思っていらっしゃる方など、ご興味をお持ちのみなさまは、お気軽にこちらまでお問い合わせくださいませ。
みなさまの想いをお伺いして、一から形にしていくお手伝いができましたら幸いです。