2017.03.02
2月26日「京ものユースコンペティション2016」受賞職人さんトークナイトを開催しました!
こんばんは、aeru gojoホストシスターの中川です。
2月19日〜26日は、「Design Week Kyoto2017」が行われました!
モノづくりの担い手と、様々な方々が交流することにより、
新たなアイデアやコラボレーションが生まれていくことを目指したイベントです。
最終日の2月26日、「第4回 京ものユースコンペティション」の
グランプリ・準グランプリを受賞された3名をお招きし、
和える代表の矢島の進行のもと、トークイベントを行いました!
「京ものユースコンペティション」は、京都市主催のコンペで、
現代のライフスタイルに溶け込む「京もの」の表彰を通して、
京都の若手職人さんを発掘・支援している取り組みです。
第4回グランプリを受賞された藤田美智さんは、
『お茶目饅頭喰い人形』を製作されています。
ポップでかわいらしい作風のため、「京もの」を表彰するこのコンペでの
受賞は難しいのでは…と思っておられたそうです。
古くから京都の伏見人形などで作られてきた「饅頭喰い人形(写真左)」に、
お茶目なかわいらしさが加えられており、
京都伝統を次の世代につなぐ作品であることが評価されました。
京都生まれ京都育ちの藤田さん。今回の受賞が、
「やっと京都に認められた、という自信につながりました。」というお言葉が印象的でした。
準グランプリの乙井一貴さんは、『かはほりあふぎ』という京扇子を作っておられます。
職人ではなく、会社員の乙井さんは、京扇子職人さんや、工業デザイナーの方、
そしてクラウドファンディングで支援してくださる方など、
多くの方と一緒にこの京扇子を作り上げたそうです。
現在、扇子を購入される方は、扇子屋さんではなく手頃な価格のものを選ばれることが多いそうです。
そんな中、伝統の技術で一つひとつ丁寧に作られ、
仕立て直しをしながら長く使えるような扇子を生み出しました。
職人さんの世界に、乙井さんのような他の業界の方が入ることで、
伝統を活かしながら、新しい取り組みが生まれているのですね。
同じく準グランプリの涌波まどかさんのご実家は、福岡県の小石原焼の窯元だったそうです。
そして、京焼で青磁をつくる窯元の方とご結婚されました。
今回受賞された『カッペロ ディ プレーテ』という器をみると、
京焼の青磁に、小石原焼の「飛び鉋」という装飾が入っています。
こちらは、aeruの『福岡県から 小石原焼の こぼしにくいコップ』にも施されている模様です。
今では、2つの産地の強みを活かしたものを生み出していらっしゃる涌波さんですが、
そこにたどり着くまでには10年ほどかかったのだとか…!
なぜかと言うと、伝統産業の世界の「目には見えないタブー」を感じ、
主に茶道具などに使われてきた京焼の青磁と、暮らしの中で身近に使われてきた小石原焼を、
簡単には融合できなかったのだそうです。
そこで、お茶席で使われるような花器や水差しには装飾を入れず、
日常的に暮らしの中で使う器に、小石原焼の装飾を施して展示会に出展すると、
想像していたよりも良い反応が返ってきたとのことでした。
伝統を守りつつ、新たな挑戦のために一歩踏み出すことで生まれた作品なのだと感じました。
お越しいただいたみなさま、どうもありがとうございました!
これからも、職人さんをお招きしたイベントなど、
日本の伝統を伝えていけるよう企画してまいります^^
aeru gojoホストシスター 中川