2018.02.01
京都・与謝野町で日本酒作りに挑戦!〜まるで子育てのように〜その3
こんにちは、aeru gojoホストシスターの中川です。
ただいま、「よさのワーキングステイ・トライアル」という8日間のプログラムに参加し、
京都・与謝野町で暮らしながら、「与謝娘酒造」さんで働かせていただいています^^
今回で、体験のレポートは最後となりました。
◯「aeru gojoホストシスター中川、京都・与謝野町で日本酒作りに挑戦中!」はこちら
◯「京都・与謝野町で日本酒作りに挑戦!〜人の手により丁寧に〜その2」はこちら
まるで子育てのよう
これまで、与謝娘さんの社長であり杜氏の西原さんに、
日々たくさんの質問をさせていただきながら、学びを深めてきました。
仕込みのタンクに、厚手のシートやお米の袋を巻いてあるのを見つけて、
理由を伺うと、「寒さに弱いものは、ヒーターや断熱材で温めてあげる」とのこと。
お米の袋を巻くのは、前の杜氏さんに教えてもらった智慧なのだそう。
「子どもが寒がっていたら、服を着せてあげる。人と同じだね。」と西原さん。
お酒作りには、「温度」の調整がとても大切。
繁殖を続ける麹菌(こうじきん)が発熱することで、麹の温度は変化します。
温度や湿度が高く保たれた麹室(こうじむろ)というお部屋に入り、
温度計で頻繁に麹の温度を確認するのですが、
まるで子どもの体温を測っているような気持ちです。
タンクに仕込んで発酵中の液体、醪(もろみ)も、温度管理がとても大切。
麹や、醪も、風邪をひいたり熱が出ないように見守っているのですね^^
aeruの本藍染の職人さんも、
「藍に元気がない時は、日本酒を足したり石灰を足したりと、
ご飯をたべさせるような感覚」とおっしゃいますが、
本当にものを生み出す職人さんは、子育てをしていらっしゃるよう。
そのような温かい想いも一緒にいただくからこそ、
「おいしい」と感じるのかもしれませんね。
伝統を守り、チャレンジを続ける
与謝娘酒造のお酒は、少量多品種が特長。
個性的で美味しいお酒を目指して、日々挑戦をされています。
ラベルのデザインや瓶の形状にもこだわりが感じられ、
海外への輸出用の日本酒作りもされている西原さん。
守るべき伝統や先人がつないできた智慧と、
新しい挑戦が和えられ、新たな伝統が生まれる。
私たち和えるでも、大切にしていきたい姿勢です。
丹後ちりめんの現場
与謝娘酒造さんでのお仕事の合間に、300年の歴史を持つ、
丹後地方の伝統産業「丹後ちりめん」の機屋(はたや)さんも見学させていただきました。
湿潤な気候が、乾燥を嫌う絹織物の生産に適しており、
現在も日本最大の絹織物の産地である丹後地方。
与謝野町にも多くの機屋さんがあり、
丹後ちりめん独自の凹凸の「シボ」を持つ生地が生み出されています。
柔らかくて、さらっとした絹の風合いを生み出すその現場では、
ガチャンガチャンという絶え間ない機械の音と、糸の具合や機械を見守り、
手際よく手を加えていらっしゃる職人さんたちの姿が印象的でした。
少しずつ織り上がる繊細な柄を持つ美しい生地に、つい見入ってしまいます。
蚕の繭(まゆ)から生糸へ、生糸が織られ反物へ、その過程を学ばせていただきました。
長いようで短く感じたこの期間。
そう感じたのは、滞在中に、「見てみたい」「行ってみたい」「この方にお会いしたい」と、次々とやりたいことが見えてきたからかもしれません。
実は、今回与謝野町を訪ねるのは2回目。
昨年初めて伺った際に、お出逢いできた方々の魅力と、
様々な産業が生まれ育まれてきた、豊かな場所であるということが、
今回ワーキングステイを希望したきっかけの一つでもあります。
日本酒作り初心者の私に、毎日丁寧に仕事を教えてくださった西原さんを始め、
与謝野町でお世話になった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
今後も、和えるスタッフが日本各地の伝統や先人の智慧を、五感で体験し、
みなさまにお届けできればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
aeru gojoホストシスター 中川