2019.12.12

青森県弘前(ひろさき)市と津軽の手仕事展を開催しました!

こんにちは!東京aeru meguroの髙橋です。

2019年10月28日〜12月21日までの間、青森県弘前(ひろさき)市さんと「津軽の手仕事展」を共催いたしました。
今回はその様子をお届けいたします^^

人々の暮らしに寄り添った、弘前の工芸

しんしんと雪が降る弘前で生み出された工芸には、大切な人を想う気持ちが詰まっています。

例えば、麻の布に刺し子をほどこした「こぎん刺し」。

▲弘前こぎん研究所にある織り機。今もなお現役です!

津軽の農民たちは麻の着物しか着ることがゆるされなかった江戸時代に、冬の厳しい寒さを少しでも和らげようと、布の目を木綿の糸で刺してふさいだことが始まりだそうです。
せっかく刺し子をほどこすのなら、見た目にも楽しく、美しく。

そうして様々な模様が生み出され、今では40種類ほどの基礎模様が存在し、組み合わせによって、美しい幾何学模様が生み出されます。

下川原焼の「鳩笛」は、冬のあいだ室内でも遊べるようにと、子どもたちのために作られたおもちゃです。

鳩の形に成形された土を素焼きし、一つひとつ手作業で絵付けをしていきます。

▲絵付けをする前の鳩笛

▲絵付けをするとこんな感じに。実際に吹けるんですよ^^

▲【番外編】鳩笛がブローチになりました。かわいい!

大迫力のねぷた絵が飾られたaeru meguroで、50点の工芸品を展示販売

10月28日〜11月30日までの間、店内にはねぷた祭りで実際に運行した「ねぷた絵」を展示しました。

間近で見るねぷた絵は、迫力満点!
よ〜く見ると、えんぴつで下書きした跡があったりと、絵師さんの息遣いがよく感じられます^^

ちなみに、よく耳にするのは「ねぶた祭り」ですが、これは青森市で行われるお祭りのこと。弘前市は「ねぷた祭り」と、半濁音になるのです。

▲大きなもので高さ9mもある大小約80台のねぷた(山車/だし)は、7日間にわたり市内を運行します。

▲aeru meguroに飾られた、運行で使われたねぷた絵。夜になると迫力が増します!

また、店内では「津軽塗り」「津軽焼」「こぎん刺し」「鳩笛」「津軽打刃物」などの工芸品を約50点、展示・販売しました。

▲津軽塗りの中でも最も代表的な「唐塗り」を施したスプーン・フォークセット。『青森県から 津軽塗りの こぼしにくいコップ』の職人さんが作られたものです。

▲350年以上の歴史がある「津軽打刃物」。刀鍛冶職人さんが作ったペーパーナイフは切れ味抜群です。

▲こぎん刺しのくるみボタン。ヘアゴムを通せば、ヘアアクセサリーにもなります。

▲津軽焼で作られた、百名山にも選ばれている「岩木山」の箸置き。『青森県から 津軽焼の こぼしにくい器』の職人さんが作られたものです。

▲下川原焼の鳩笛。青、赤、オレンジ、ピンクなど色とりどりの絵付けがされています。

▲手仕事展の開催は、青森の地元テレビ局に取材されました。

津軽塗りの職人さんを東京へお招きし、スプーンの研ぎ出し体験を開催

11月9日・10日は、弘前から津軽塗りの職人さんが東京aeru meguroへお越しくださり、津軽塗りのスプーン研ぎ出し体験を開催しました!

▲2日間で20名の方に参加いただきました

今回体験いただいたのは、津軽塗りの代名詞とも言える「唐塗り」の工程です。

唐塗りは『青森県から 津軽塗りの こぼしにくいコップ』にも使われている柄なのですが、この模様、どのように作られているか、ぜひ想像してみてください。

▲『青森県から 津軽塗りの こぼしにくいコップ』(乳白唐塗り)

私は最初、筆などで描かれているのかなぁと思っていたのですが、実は何度も何度も塗り重ねた漆を、研ぎ出すことによって、世界にひとつだけの美しい模様を、生み出しているのです!

▲津軽塗りの技法、唐塗りの工程。約50もの工程をおよそ3カ月弱かけて、1つのコップが完成します。

▲目の粗さが異なるサンドペーパーを何枚も使って、研ぎ出していきます。

これぞ、雪が降り続ける長い冬をじっと耐え抜く津軽の人々の気質を表していますね。

今回は、職人さんに研ぎ出す前の漆塗りのスプーンをご用意いただきました。

▲研ぎ出し前のスプーン

▲研ぎ出し後のスプーン

▲親子で参加!一番左が津軽塗り職人さんです。

▲大人も研ぎ出しに没頭。みなさんとっても真剣です。

職人さんが合間合間で実演をしてくださり、会場からは「音が違う」「やすりが指の一部みたい」「早い」など、職人さんの技術に感動の声が上がりました。

ちなみに今回は、30分ほどかけて参加者の皆様に模様を研ぎ出してもらったのですが、なんと職人さんはスプーン1本を5分で仕上げるそう。

自分で実際に体験してみることで、職人さんの凄さが体感できたひとときでした。

職人さんのミニトークイベントも開催

ワークショップ後は、aeru meguroホストマザー(店長)の森が聞き手となり、ミニトークイベントを開催しました。

▲aeru meguroホストマザー(店長)の森(左)と、津軽塗り職人の小林正知さん(左)

「津軽塗りとは何か」
「津軽塗りの原材料となる、漆はどうやって採れるか」

といったお話や、

「なぜ職人になろうと思ったか」
「職人としてどのようなチャレンジをしているのか」

など、会場からは職人さんのお仕事に対する質問も飛び交いました。

▲漆が採れる工程を説明する、津軽塗り職人の小林正知さん

ねぷた絵の展示、約50点の工芸品の販売、職人さんをお招きしたワークショップと、盛りだくさんの内容でお届けしている「津軽の手仕事展」。

今回のイベントを通して、みなさんの暮らしがより豊かで楽しくなるきっかけづくりができましたら、大変うれしく思います^^

aeru meguroでは今後もこのような催しを行ってまいりますので、どうぞお楽しみに。

aeru meguro 髙橋

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「津軽の手仕事展」概要
日時:2019年10月28日〜12月21日
場所:aeru meguro(各線目黒駅より徒歩3分)
内容:
・津軽塗り、津軽焼、こぎん刺しなど青森県弘前市の工芸品の展示・販売
・津軽塗りの職人さんをお招きした、津軽塗りスプーンの研ぎ出し体験の実施
共催:青森県弘前市
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