CASES

高校生向けaeru school「日本の伝統と美意識に触れ、感性を磨く〜手作りアートパネルで博多織の魅力の深淵を探求!〜」

aeru school

クライアント
聖光学院中学高等学校・湘南白百合学園中学高等学校さん
業種
教育機関
所在地
神奈川県

聖光学院中学高等学校さんの、体験型の学習講座「聖光塾」にて、日本の伝統に触れ学びを深める、aeru schoolを実施。日本の伝統産業に精通したaeru school講師が、生徒さんお一人おひとりの知的好奇心を、刺激し、興味関心を深め、思考力を育むお手伝いをいたしました。
※「聖光塾」とは正規の授業のカリキュラム内容や学年の枠を時には超え、普段ではなかなか味わうことのできない、探究型・体験型学習講座のこと。

前回実施したアート思考講座「ひらめき・思いつきに基づく「アート思考」を学ぶ、中学高校生向けaeru schoolを開催〜三重県の伊勢型紙で和紙葉書の型染め〜」が大変ご好評とのことで、第2弾として、日本の伝統に触れられる探究学習講座を実施したいとご依頼いただきました。
そこで今回は、福岡県の博多織をテーマに、探究学習講座をご用意いたしました。

任意参加の講座でしたが、湘南白百合学園中学高等学校さんと共同実施。過去最高人数の64名の方々にご参加いただくことができた、人気講座となりました。

主な参加理由は下記の通り。
・織物とプログラミングがどのように関わっているのか興味があった
・日本の伝統文化や、伝統産業に漠然とした興味がある
・知らない分野であったことと、素敵な製作ができそうだったから など

実施した、高校生向けaeru schoolの探究型・体験型学習「日本の伝統と美意識に触れ、感性を磨く〜手作りアートパネルで博多織の魅力の深淵を探求!〜」について下記に講座内容をまとめましたので、ぜひご覧ください。
学校での実施にご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。

講座の流れ

感性を引き出す準備運動!

aeru schoolでは、日本の伝統に触れることをきっかけに、参加者お一人おひとりの感性を引き出し、対話を進めることを大切にしています
そのため、最初はご自身の直感や感性に耳を傾ける準備運動として、博多織の職人が製作した様々な文様や色使いの「博多織の帯の余り布」から気に入ったものを直感で選び、なぜそれを選んだのか、選んだ帯からどのような印象を受けたのかなど、感じたことを言語化する練習をしました。

博多織の歴史や、文様の意味、色について深掘り!

およそ800年の歴史があると言われている「博多織」。博多は交易に便利な土地柄のため、仏教文化をはじめとし、工芸など様々な大陸文化の入り口でした。「織物」の技術を大陸より持ち帰ってきてくださった先人の歴史なども紐解きながら、どのように私たちの豊かな暮らしが先人たちによって作りあげられてこられたか考えました。また、「博多織」の不思議な文様「独鈷花皿(とっこはなざら)」についても何に見えるか?など考えながら、一つひとつに込められた意味や想いについても触れました。

プログラミングの原点は織機!?

実は、機織りはプログラミングの原点、機械の発展に重要な役割を果たしました。紋紙(もんがみ)によって、経糸の上げ下げを制御する仕組みなどを映像を通してお伝えしました。。力織機・自動織機を活用する良さ、手織りの良さ、それぞれの理解を深めました。機織り機を「ガチャン」と動かすと万のお金が儲かるとまで言われた「ガチャ万」の時代があったことや、着物があまり売れなくなってしまった現在も、世界に愛されるブランドが製作している洋服の生地として採用されている織物が日本にはあることなどもご紹介し、「日本の繊維業」についても学びました。

自分の感性に耳を傾け、オリジナルのアートパネルを作ろう!

博多織、紋紙を観察し、見方を変えながら博多織の余り布をどのように活かすか思考しました。最初はどうしようと悩んでいた生徒さんも、「正解はない」「自分の直感を信じて進んでみましょう」と繰り返しお伝えし、「まねぶ」を促すことによって、徐々に発想やアイディアが生まれ、独創的な作品が誕生しました。

製作の後は、作品を言語化!

最後は製作中に「何を感じたのか」「何を表現しようとしたのか」「何にこだわり工夫したのか」などを言語化していただきました。聞き手はaeru schoolでのお約束ごと「具体的に褒める」を大切にし、発表者が自身の直感を信じて発言できるよう背中を押し、作品の言語化のお手伝いをします。

作品作りと発表を通して、自分の感性を信じ表現することだけではなく、

自身の作品の言語化をすることによる自己理解、また他者からの感想を通じての自己理解
・「他者がどのような感性や思考をしているか」を知ることによる他者理解
を深めることができました。

今回の講座を終えて、下記のようなお声を頂戴しました

【教員の方より】
参加した子たちは、おとなしめな子も多いのですが、製作や言語化の時間など楽しそうに取り組んでいたのが印象的でした
知ることで、自分の一部になると思っていますので、伝統工芸品に触れる機会は、ぜひ今後も作りたいと思います。

【生徒さんより】
・博多織のアートパネルを実際に制作してみて、布を切っている間にもたくさんの糸が帯から出てきて、本当に細かく織られているのだなと感じました。また自分の作った作品についてや博多織を見て触ったりしている間に自分の思っていることを言語化することの大切さを知りました。思っていることは同じでも、人によってそれをどのように表現するのかは違うんだと感じました。
・日本の伝統芸能とプログラミングをかけあわせるなんて面白い内容だと思いました。博多織について学んで伝統芸能も時代とともに作り方が変化しているんだなと感じました。
・博多織の模様ひとつひとつに、意味があることに興味を持ちました。実際に好きな模様の織物を手に取り、試行錯誤を繰り返し、作ったパネルは、なにか特別な感じがしました。
・自分で好きな柄を選び、自分で好きな配置に織り物をはりつけることが楽しかったです。また、自分で選ぶことによって、個性を表現できるのでいいなと思いました。それに、他の子の作品を見ることによって、自分では発見できなかったこと、気付けなかったことも知ることができるので、良い講座だと感じました!


aeru schoolでは日本の伝統や文化に触れながら、これからの将来を担う子どもたちが生きる上で必要な力(感じる力、観察する力、言語化する力)や、思考力を育むことができます。

学校様のご要望に合わせて、内容をカスタマイズさせていただいておりますので、ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせくださいませ。