CASES
ひらめき・思いつきに基づく「アート思考」を学ぶ、中学高校生向けaeru schoolを開催〜三重県の伊勢型紙で和紙葉書の型染め〜
aeru school
- クライアント
- 聖光学院中学高等学校さん
- 業種
- 教育機関
- 所在地
- 神奈川県
aeru schoolとは
先人たちの美意識と智慧がつまった「日本の伝統」に触れる中で、3つの力、「観察する力・言語化する力・哲学する力」を育むワークショップです。
一つひとつ表情が異なる素材を観察したり、感じたことを言葉にして共有したり、自由な発想で作品作りを行ったりする中で、右脳を働かせる体験をしていただきます。
「探究型・体験型」の学習、aeru schoolを課外活動にて実施!
聖光学院中学高等学校さんの、体験型の学習講座「聖光塾」にて、日本の伝統に触れることができる、aeru schoolを実施。
※「聖光塾」とは正規の授業のカリキュラム内容や学年の枠を時には超え、普段ではなかなか味わうことのできない、探究型・体験型学習講座のこと。
日本の伝統産業に精通したaeru school講師が、生徒一人ひとりの知的好奇心を刺激し、興味関心を深め、思考力を育みながら、唯一無二の「探究型・体験型」の学習を提供することが可能!
※カリキュラムの都合上、授業に組み込めない場合でも、生徒さんに募集をかけ、課外活動として実施することもございます。
今回は授業ではなく、参加任意の講座でしたが、40名強の方々に参加いただきました。参加理由は下記の通り。
- 日本の伝統文化や、伝統産業に漠然とした興味がある
- 日本の染織の職人さんについてや、「伊勢型紙」というものがどういうものか知りたい
- 自身の知らない分野であったことと、単純に楽しそうだから など
実施したaeru school「三重県の伊勢型紙で和紙葉書の型染め」について下記にまとめましたので、ぜひご覧ください。
ご興味をお持ちいただいた方は、お気軽にお問合せくださいませ。
講座の流れ
感性を引き出す準備運動!美しい日本画を観賞し、直感で感じたことを言語化する練習
aeru schoolでは、日本の伝統に触れることをきっかけに、参加者お一人おひとりの感性を引き出し、対話を進めることを大切にしています。
そのため、最初はご自身の直感や感性に耳を傾ける準備運動として、日本の代表的な絵画をお見せし、作品から何を感じたかをお伺いしました。
aeru schoolで大切にしている「3つの力」についてお伝え
多くの仕事がAIにより機械化され、「人間にしかできない仕事」が求められる今日。
問題解決能力よりも、問題発見能力…
感覚・感情、直感、勘…
AIが得意なロジックに基づいた左脳思考だけではなく、人間ならではのひらめき・思いつきに基づく「アート思考」を育むことに注目が集まっています。
日本の伝統に触れながら、aeru schoolを通して、下記3つの力を身につけることで、クリエイティビティや問題発見能力を育む土壌を作ることが可能です。
染め職人が実際に着物や帯を染める際に使用している、「伊勢型紙」や「刷毛」などのお道具を紹介!
1000年以上の歴史があると言われている伊勢型紙は、古くより着物を染めるための型紙として用いられてきました。伊勢型紙は、薄い美濃和紙に柿渋を塗り、繊維が縦方向のものと横方向のものが交互重なり強度が上がるように3〜4枚貼り合わせ、再度柿渋を塗って乾燥させ、50日ほどかけて、「型地紙」という茶色い紙を作ります。その「型地紙」に職人が、伝統的な吉祥文様を手彫りであしらい、aeru schoolオリジナル型紙を製作くださいます。
- 染める手前のお道具なのに、様々な人の手を介して、時間をかけて作られているんだ!
- 和紙なのにこんなに丈夫だなんて驚き!長く使い続けるための智慧がつまっている!
など、様々な反応が。
また、職人の手仕事に実際に触れることで、日本の文化についての興味関心がより広がり、理解も深まります。
使用する和紙はがきや、日本画にも使用されている顔彩について、製造方法や私たちの暮らしとの関わりについてお話しし、先人が様々な原料を開拓し、加工することによって、美しいものを生み出し続けたことをお伝えしました。
自分の感性に耳を傾け、伊勢型紙で染め職人になり、自分自身を表現してみよう
七宝柄・花菱柄・千鳥柄、三種類の伊勢型紙を鳥の目、虫の目、魚の目になって観察をし、見方を変えながら伊勢型紙をどのように活かすか、思考をしました。
また、6色の顔彩を組み合わせ、色を重ねてオリジナルの色を生み出したり、刷毛を使い和紙に色をポンポンとのせる際に強弱をつけて、濃淡を表現したりしながら、自分自身を表現してもらいました。
普段の勉強では正解を求めがちなため、最初はどうしようと悩んでいた生徒さんも、「正解はない」「自分の直感を信じてください」と繰り返しお伝えすることで、徐々にいろんな発想やアイディアが生まれ、私たちも想像しなかった方法で伊勢型紙の活用し、各々の感性で作品を制作してくださいました。
染め終えた後は、作品を言語化します。
制作中に「何を感じたのか」「何をこだわったのか」「工夫した点は」などを言語化していただき、発表しました。
聞き手はaeru schoolでのお約束ごと「具体的な褒め」を行い、発表者が自身の直感を信じてあげられるよう背中を押し、作品の言語化のお手伝いをします。
作品作りと発表を通して、自分の感性を信じ表現することだけでなく、
- 「他者が自分の作品を見てどう感じたか」を知ることによる自己理解
- 「他者がどのような感性や思考をしているか」を知ることによる他者理解
を深めることができました。
今回は和紙はがきを2枚染めていただく講座だったため、後半は「私の夢」を表現してもらいました。
前半で染めるコツを掴んだ生徒さんたちは、次々と自分の夢を表現。
こちらの生徒さんは、様々な登竜門をくぐって、自分の夢に一歩一歩近づきたいとのこと。
aeru schoolでは日本の伝統や文化を通して、これからの将来を担う子どもたちが生きる上で必要な力を育むお手伝いをしております。
学校様の学びの目的に応じて、教育プログラムの内容をご提案させていただいておりますので、ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせくださいませ。