2018.04.26

4月20日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜桶屋「近藤」 近藤太一さん〜

「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』

和える代表の矢島がDJを務めさせていただいており、京都の若手職人さんや、
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などのお声を、
毎週お届けしております。

4月20日のゲストは、桶屋「近藤」 近藤太一さん^^
伝統的な技法を活かして、主に、寿司桶やご飯のお櫃(ヒツ)などを
杉や椹(サワラ)の木などで一から手作りされている近藤さん。
放送では、ものづくりにかける想いや、
長く使い続けるための 「お直し」についてお話を伺いました。

良い木と出逢うと、背筋が伸びる

おいしい酢飯が生まれるという寿司桶や、冷やご飯の甘みが生まれるというお櫃。
その秘密は、木が適度に水を吸い取ることだそう。

近藤さんは、それぞれの木の個性を活かしながら、
木を丸太から仕入れるところから、私たちの手元に届くまでを
一貫してお一人で作っていらっしゃいます。

削った木を組み合わせ、桶の枠組みである箍(タガ)を丁寧にはめていくまで、
日々、木に囲まれてお仕事をされている近藤さん。
そんな近藤さんのおっしゃった言葉の中で、とても印象に残ったのが、
「良い木に出逢うと緊張する」という言葉でした。

桶屋さんとして考える「良い木」とは、
真っ直ぐで、木目がそろった均一になっているもののこと。
その木ができるまでには、山を守って木のお世話をする「山守(やまもり)」とよばれる方々が、枝打ちをしたり、下草を刈ったりしながら、木を育むことが必要です。
木が育つまでに、数百年。
何代もかけて、良い材料にするために、
何百年も前の人が残し、育んでくださった木を目の前にすると、
背筋が伸びるような感覚になると、近藤さんはおっしゃいます。

材を触ったり、削った後の木屑に囲まれたりしながらお仕事をされていると、
なんだか気持ちがいいと感じるのだとか。
「一つとして同じものがない木。その巡り合わせを無駄にしたくない。
せっかくの木だからきちんと伝えたい」とおっしゃる、近藤さんのお話を伺い、
一期一会に感謝しながら「伝えていく」ということを、本当に大切にしていらっしゃるのだと感じました^^

「暮らしの中で、木にいつも出逢えているという感覚ですね」と矢島も話しておりましたが、木で作られた器や家具、床材などを目にしたときに、「山で育ち、私たちの手元に届くまでの過程」に想いを馳せると、少し心が温かくなりますね。

京都市 京ものユースコンペティション 和える
こちらは、4月21日まで京都直営店「aeru gojo」にて展示させていただいていた、
近藤さんの作品。桶を作る技術を活かした、ぐい呑です。
10枚の板を組み合わせて、箍をはめ、丁寧に作られたもの。
今回のお話を伺い、このように、想いを込めて生まれた木を
暮らしに取り入れる豊かさを学ばせていただいたように思います。

こちらの作品は、今後東京直営店「aeru meuro」でも展示させていただく予定です!
詳細が決まりましたら、和えるのウェブページや、
SNSにてお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに^^
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お直し〜想像力を働かせる〜

近藤さんは、暮らしの中で使われてきた、桶などの「お直し」も日々、行われています。
木が縮むことで緩んだ箍を、きつく締めて直したり、バラバラになったのを直したり。
「どんな風にご家族で使っていたのかな?」「ひな祭りのときに出していたのかな?」などと、
それぞれの方の暮らしの様子を想像しながらお直ししていらっしゃることを、
とても楽しそうにお話してくださいました。
「全部がケースバイケース。もっと長く使えるように、どう直すかを考える」と近藤さん。
とても想像力を働かせながら、想いを込めておられることが伝わってきました。

aeruにお直しのお願いをしにきてくださる方々も本当に様々。
旅先で購入された当時の思い出がつまった器や、
お母様がお子様のために手作りした器など、使い手の想いがたくさんつまっています。
近藤さんのお話を伺うことで、改めて、「ものに命が宿る」ということを感じ、
大切にお客様のお直しをさせていただきたいという想いが強くなりました^^
○aeruのお直しについてはこちら

明日のゲスト

さて、明日4月27日6:00からの放送は、引き続き、京都紫野 桶屋近藤 近藤太一さんをお迎えします。
桶を作る技術を活かした新たな取り組みについてなど、さらに詳しく、さらに丁寧に、近藤さんのお話を伺います。
どうぞお楽しみに!

aeru gojoホストシスター中川

これまでの放送はこちら

◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編後編

◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
「radiko.jpプレミアム」にご加入いただくと、全国どこでもお聴きいただけます。
全国民放FM52局のラジオ放送を、エリア制限なく聴取できるau公式ラジオアプリ、LISMO WAVEにも対応しております。

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