2018.06.28
6月22日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜鳴物神仏具「南條工房」の南條和哉さん〜
京都の若手職人さんや、
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などのお声をお届けしている、
「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』。
毎週金曜朝6時から、和える代表の矢島がDJを務めさせていただいております。
6月22日のゲストは、先週に引き続き、
鳴物神仏具「おりん」などの製作を手がけていらっしゃる
「南條工房」の次期7代目、南條和哉さん。
今回の放送では、創業約170年の歴史で培われた伝統の技術で
作っていらっしゃる、祇園祭の囃子鉾に使う「囃子鉦(はやしがね)」について、
そして、「おりん」の未来のあり方について想いを伺いました^^
お祭りでも活躍!「おりん」製作の職人技
昔ながらの方法で作った焼型に、
佐波理(サハリ)と呼ばれる、錫と銅を合わせた金属を流し込む、
鋳造の技術を活かした「おりん」作り。
硬い金属だからこそ、よく響く音色が生まれるとおっしゃいます。
実は、この「おりん」作りの技術は、京都で欠かせない祇園祭にも、
活かされています。それは、鉾の囃子鉦(はやしがね)。
一つの鉾で、8つほどの鉦が使われているそうです。
南條工房では、元治元年(1864年)に蛤御門の変で焼失したといわれる、
大船鉾の「囃子鉦」を2014年に150年ぶりに復元。
初代の名前が刻印された、およそ200年前に作られた囃子鉦があったとの記録から、
南條さんの義理のお祖父さまに当たる、5代目の方が寄付をなさったとのこと。
現在も依頼があれば、その他様々な鉾の鉦を製作されていらっしゃいます。
型から取り出し、削り出す際の些細な違いから
音の高低差や響き方が変わってくる「おりん」。
番組では、囃子鉦を作った際に、
5〜10名ほどのお囃子担当の方々が音を確かめに工房にいらっしゃり、
次々と「おりん」の音色を聴き比べられることや、
囃子鉦を新調された際に、
鉾に上げていただいて演奏をお礼に聴かせていただくこともあることなど、
京都ならでは、職人さんならではの、祇園祭の秘話を教えていただきました^^
お話を伺っていると、祇園祭に向けて、わくわくした気持ちが高まってきました。
地域のお祭りを支える、職人さんの技。とても強い関わりを感じました。
「aeru gojo」では、そんな職人さんだからこそご存知の、
祇園祭の秘話をじっくりと伺いたいという想いで、
7月16日に南條さんをお招きしたトークイベントを開催いたします!
祇園祭で実際に使われるものと同じ囃子鉦をお持ちいただき、
みなさまにも演奏していただきますので、ぜひ囃子鉦の音色をたっぷりとお楽しみください^^
【イベント】7月16日開催 祇園祭のお囃子を奏でよう!〜鳴物神仏具職人さんによるトークイベント〜の詳細はこちら
仏具としての「おりん」だけではなく、「おりん」そのものとの出逢いを
「りん、りん、りん、りん・・・・」
ドレミファソラシド・・・
番組の途中では、音階が調律された「おりん」の音色が。
削り方を変えることで音階に変化をつけられており、
雅楽に用いる十二律に調律したおりんも作ることができるのだとか。
「お家に仏壇があってもなくても、こんな音がなるんだと感動してもらえたら。
仏具としての『おりん』だけでなく、
『おりん』単体としても成り立つ、自由な使い方をしていただきたい」
と南條さんはおっしゃいます。
心を落ち着かせたり、ご先祖さまとつながる時間にしたり・・・
思い思いの暮らしへの取り入れ方があるのだと感じました。
実は、南條さんの前職は料理人。ご結婚を経て、「おりん」の音色に惹かれ、
「消えてしまうのはもったいない。なんとか伝えていきたい」という想いで、
24歳ごろにお仕事を継がれる覚悟をなさいました。
矢島も「新しく『おりん』の世界にイノベーターとして入られ、
イノベーションを起こしていかれる方になっていかれるのでは」と
話しておりましたが、今後南條さんが生み出していかれる、
新たな「おりん」とは?と、私もとても楽しみになりました。
8月には、南條さんも認定されている「京もの認定工芸士」さんの展示イベントを
「aeru gojo」で開催いたします。
南條さんの「おりん」も展示していただく予定でございますので、
自分の好みの音や絶え間なく続く余韻を楽しみに、お越しいただければと思います。
詳細が決まりましたら、和えるのウェブページや、
SNSにてお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに^^
「京もの認定工芸士」さんとは?過去の展示の様子はこちら
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明日のゲスト
明日6月29日6:00からの放送では、「齋田石材店」代表の齋田隆朗さんをゲストにお招きします。
灯篭をはじめ、墓石・石造彫刻・石材施工など、石材一式を扱っていらっしゃる齋田さん。
石の魅力について、お話が伺えると思うと、今から楽しみです^^
みなさまも、どうぞお聴きいただけますと嬉しいです!
aeru meguro ホストシスター松下
これまでの放送はこちら
◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編・後編)
●桶屋「近藤」 近藤太一さん(前編・後編)
●京・地張り提灯専門「小嶋商店」の小嶋俊さん(前編・後編)
※小嶋さんとは、以前、aeru gojoにて、門川大作京都市長と矢島の3名で、
「京都から伝統産業を活性化し、日本全国を元気に」というテーマで鼎談させていただきました。
◯鼎談の様子はこちら
●京友禅ブランド「SOO(ソマル)」代表 日根野孝司さんら4名(前編・後編)
●京焼・清水焼 絵付け師の田辺桂さん(前編・後編)
●鳴り物仏具「南條工房」の南條和哉さん(前編)
◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。
「Artisan’s Talk」番組詳細
放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
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