2018.07.12

7月6日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん〜

京都の若手職人さんや、
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などのお声をお届けしている、
「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』
毎週金曜朝6時から、和える代表の矢島がDJを務めさせていただいております。

7月6日のゲストは、前週に引き続き、
「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん。
20歳のときに家業を継ぐことを決められ、20年がたった今、
主なお仕事として作っていらっしゃる「石灯籠」を国内外にどのように伝えていくか、
私たちの暮らしの中での石がどのような存在になっていくかなど、
熱い想いを話してくださいました^^

身近な存在の石と向き合う

自宅と工房が一緒にある、京都・亀岡の「齋田石材店」さん。
齋田さんは、長男として自然と家業を継ぐことを考えるようになられたそうで、
現在、「石灯籠」を主に作っていらっしゃいます。

石灯籠作りを始められた当初は
「本当にこんな硬い石を、削れるようになるんだろうか?」と思っていたという
エピソードもお話してくださいましたが、
「自分の好みの形になってくるとウキウキした気分になり、
仕上がった瞬間は心から格好良いと思っている」
と嬉しそうにお話してくださいました。
なんと、石灯籠を作り上げるには、
まず一つ一つのパーツを2〜3週間かけて作られるのだとか。
とても時間がかかり、形なき石そのものと向き合い続けているという感覚が
大半を占めるお仕事なのかもしれません。

番組では、「人類が最初に使ったものも石。槍や器などを作っていた石器時代から始まり、
今がある」という、石と人類の長い歴史について触れられる場面もありましたが、
斉田さんのお仕事は、身近にある石から形を生み出す、とても人間らしい営みであるように感じました。

こちらは、「齋田石材店」さんのお庭にある、石灯籠。
作り上げたものに苔を繁茂させ、自然に溶け込むように育んでいらっしゃるところです。
前週の放送でお話してくださったように、「風化」を表現するために、
日頃から工房のお庭には20基ほどの石灯籠がずらりと並んでいるのです。
人類の営みの中に根付いてきた、身近な存在である石。
悠久の時間をまとい、なんだか誇らしげに見えますね。
京都・亀岡の「齋田石材店」さんでは、こちらのお庭から石灯籠をお選びいただくことができるのだとか。
ぜひみなさま、石灯籠に出逢いに行ってみてくださいね。

世界へ羽ばたく「石灯籠」〜伝統と革新〜

斎田さんは、京もの認定工芸士としてもご活躍なさっています。
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京もの認定工芸士とは…(京都府ウェブページより)
未来の伝統産業を担う京都の若手職人の中でも、
特に技術に優れ、意欲ある方に対して京都府から授与される称号です。
2018年2月時点で、146名の「京もの認定工芸士」が誕生しています。
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「京石工芸品」の分野として、「京もの認定工芸士」に認定された際の応募作品は、
170cmほどの高さの「石灯籠」。
実は、その作品は現在、ローマにあるといいます。
場所は、お父様と一緒にイタリアへ出張した際に、
作品の展示や実演をする拠点にもなっている、日本食のレストラン「どうぞ (Doozo)」。
そのテラスに置かれ、なんと、ローマ時代から残っている壁と一緒に佇んでいるのです。

まさに時空を超えて、ローマ時代から残って来たものと、
日本の伝統的な技術で今の時代に産み出したものが共演しています。
矢島も「世界を越えてお互いのが自分たちの文化を紹介し合い、文脈理解につながるのでは」と話しておりました。

「このような共演から、新しいものものが生まれたら嬉しい。
「伝承」ではなく、「伝統」として、用途を変えながらその時々の文化に合わせて形にしていきたい。今は進化の時だと思う。」
と斎田さん。
今後は、前週紹介をしてくださった、お家の中で灯りを楽しむ「テーブルランタン」の他にも、竹垣を作っている職人さんや建築士・設計士さんと一緒にユニットを組みながら、お家の中でもお庭を感じてもらえるような空間づくりをしていきたいとのこと。
イタリアでの展示だけでなく、アメリカにある日本庭園での実演などの機会も多いそうで、
国内外に向けて、どのような作品が生まれていくのか、
斎田さんのこれからの取り組みが今からとても楽しみです。

明日のゲスト

さて、明日7月13日6:00からの放送では、
「弘誠堂」三代目で表具師の 田中健太郎さんをゲストにお招きします。
表具師として、掛け軸や屏風、額装などを手がけられるときのこだわりや、
鑑賞のコツなどをお教えいただく予定ですので、どうぞお楽しみに!

aeru meguro ホストシスター松下

これまでの放送はこちら

◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編後編
●桶屋「近藤」 近藤太一さん(前編後編
●京・地張り提灯専門「小嶋商店」の小嶋俊さん(前編後編
※小嶋さんとは、以前、aeru gojoにて、門川大作京都市長と矢島の3名で、
「京都から伝統産業を活性化し、日本全国を元気に」というテーマで鼎談させていただきました。
◯鼎談の様子はこちら
●京友禅ブランド「SOO(ソマル)」代表 日根野孝司さんら4名(前編後編
●京焼・清水焼 絵付け師の田辺桂さん(前編後編
●鳴り物仏具「南條工房」の南條和哉さん(前編後編
●「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん(前篇

◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
「radiko.jpプレミアム」にご加入いただくと、全国どこでもお聴きいただけます。
全国民放FM52局のラジオ放送を、エリア制限なく聴取できるau公式ラジオアプリ、LISMO WAVEにも対応しております。

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