2018.08.30

夏休み特別編!京都・与謝野町から届ける工房の音 8月24日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜「高美機業場」三代目の高岡徹さん〜

毎週金曜朝6時から、京都の若手職人さんや伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などのお声をお届けしている、「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』。和える代表の矢島がDJを務めさせていただいております。

8月10日から始まった夏休み特別編では、
普段、ゲストのみなさまをお迎えしている烏丸四条のスタジオを飛び出し、
矢島が職人さんの元へ!
丹後ちりめんの産地、京都府与謝野町の工房にお伺いし、収録した内容をお届けしております。

夏休み特別編、お二人目のゲストは、
「高美機業場(たかみきぎょうじょう)」三代目の高岡徹さん。
8月24日の放送では、
高岡さんが家業を継ごうと決められた経緯や、
「風呂敷屋さん」として進んでいく新たな取り組みやそこにかける想い、
そして、今後の夢についてお話を伺いました!

白生地屋さんから風呂敷屋さんへ

「高美機業場」さんは、昭和24年に創業され、
和装小物である半衿や帯揚げなどの白生地や
風呂敷などを作っていらっしゃいます。

今回、ゲストにお招きした高岡さんは22歳になる年に
与謝野町に帰ってこられ、12年間家業に携わっていらっしゃる次期三代目。
「白生地屋さんだが、今は風呂敷屋さん」とおっしゃる高岡さんは、
帰ってこられた当時は、白生地だけの製造だったと振り返ります。
実は、家業を継ぐ気は一切なかったそうなのですが、
家業を手伝いながら与謝野町で暮らしていらっしゃる中で、
”白生地を作っている”と言っても周囲に伝わらない現状に出逢い、
なんとかしたいという想いが芽生えたのだとか。

そこで、絵柄のある風呂敷を作ることを始められた高岡さん。
最初は、ご自身のお子さまがお生まれになった際の
引き出物として作られたのがきっかけだそうで、
その後、結婚式の引き出物など、贈り主となる方々のご依頼を受け、
記念や想い出に残る風呂敷づくりを続けていらっしゃいます。
「風呂敷を作っている!」
その伝わりやすさに惹かれ、どこかで感じていらっしゃった”家業をなんとかしなければ”という部分のヒントになっていたのだとおっしゃいます。

風呂敷で想いを包み、日本の文化を届ける

高岡さんによると、日本の風呂敷は
結界を張り、気を遮るために包むという伝統があるとのこと。
包むことで、贈る相手に対して悪いものがつかないように、
気が良いものにした上で贈るという、思いやりが込められているのです。
高岡さんは、その風呂敷が本来持つ意味に根差した
もの作りをしていきたいとおっしゃいます。
「贈り主がどのような想いを届けたいかを感じ、
持ち運びをするための鞄の代わりにするのではなく、
風呂敷として伝えていきたい」と高岡さん。

矢島は「モノを包むだけの風呂敷屋さんというよりは、
想いを包む風呂敷屋さんなのですね」
と話しておりましたが、
高岡さんの風呂敷を手にすると、
相手のことを思い出したり、感動的な時間を思い出したり、
なんだか幸せな気持ちに包まれるような瞬間に
出逢えるのだろうなと感じました。

お話を伺っていると、高岡さんは単なる風呂敷を作っているのではなく、
風呂敷をきっかけに出逢いを生みせるようにと、
想いをのせながらお仕事されていることが伝わってきました。
私たち、和えるも、全国各地の職人さんと共に想いをのせて、
赤ちゃん・子どもたちに”本”当に届けたい”物”=ホンモノを生み出し、
みなさまが想いを贈るお手伝いができるように、
頑張っていきたいという想いが一層強くなりました!

最後に、高岡さんは「風呂敷っていいよね、という曖昧なものではなく、
使い方も啓蒙していきたい。それは、家業としても日本の文化をつなぐ上でもいいのではないか」とお話してくださいました。
ご自身のことだけではなく、社会全体としてどのようになるべきなのかを
考えていらっしゃる様子がとても格好いいと感じました。
それは、まさに、私たちも目指す「三方良し」の考え方。
どの場所にいても、全体を考えて働いていく、そんな生き方を学ばせていただきました^^

明日のゲスト

さて、明日8月31日朝6:00からの放送では、引き続き、
高岡さんをゲストにお招きします。

「白生地を作っている」「それ何?」となってしまうところから、
風呂敷屋さんとして、新しい会社の説明の仕方を生み出した高岡さんは
現在37歳。
丹後ちりめんの魅力を伝える新しい挑戦を続けておられる一方で、
「高美機業場」さんが大切に培ってこられた、糸を撚るお仕事を始め、
機織り機の調整や京都市内への営業してなど様々なお仕事をされています。

人手が少なくなっていく中で、一貫したものづくりが
着実にできるような状態にしなければという現実に向き合いながら、
「お茶時にも使えるような生地、後世に残るような生地を作りたい」
「生地の復元などにも取り組みたい」
「娘が繼ぐ時に、納得いくものづくりができている状態にしたい」
と、どんどん夢が広がります!
明日はどのような高岡さんの夢をお聞きできるのでしょうか。
どうぞお楽しみに^^

aeru meguro ホストシスター松下

これまでの放送はこちら

◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編後編
●桶屋「近藤」 近藤太一さん(前編後編
●京・地張り提灯専門「小嶋商店」の小嶋俊さん(前編後編
※小嶋さんとは、以前、aeru gojoにて、門川大作京都市長と矢島の3名で、
「京都から伝統産業を活性化し、日本全国を元気に」というテーマで鼎談させていただきました。
◯鼎談の様子はこちら
●京友禅ブランド「SOO(ソマル)」代表 日根野孝司さんら4名(前編後編
●京焼・清水焼 絵付け師の田辺桂さん(前編後編
●鳴り物仏具「南條工房」の南條和哉さん(前編後編
●「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん(前編後編
●「弘誠堂」表具師の 田中健太郎さん(前編後編
●陶芸作家の小川文子さん(前編後編
<5週連続 夏休み特別編!京都府与謝野町の工房から>

●「羽賀織物」三代目の羽賀信彦さん(前編後編

◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
「radiko.jpプレミアム」にご加入いただくと、全国どこでもお聴きいただけます。
全国民放FM52局のラジオ放送を、エリア制限なく聴取できるau公式ラジオアプリ、LISMO WAVEにも対応しております。

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