毎週金曜朝6時から放送している、
「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』
和える代表の矢島がDJを務めさせていただき、京都の若手職人さんや
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などのお声をお届けしております。

8月10日から5週にわたり、
現地にお伺いして工房の音や職人さんのお声などを
ご紹介した夏休み特別編も終わり、季節はすっかり秋。
9月14日のゲストには、
金彩扇子作家の米原康人(よねはらやすと)さんをお招きしました!
扇子への金を施す技を活かして、
”アイデンティティを表現する”とおっしゃる米原さんの
哲学に迫りました^^

金彩扇子作家と名乗る〜世界を広げるために〜

能や日本舞踊、茶道などで使われる扇子に、
金箔などを施すお仕事をされている米原さん。
実は、「金彩扇子作家」という肩書きはご自身で考えられたとのこと。

扇子は一般的に分業制とされ、
扇の骨になる竹を加工したり、紙を貼ったり、絵を描いたり・・・など、
出来上がるまでには88の工程があるともいわれています。
その中で、和紙の部分に箔を施す米原さんのお仕事は、
まだ蛇腹状に折られていない平な紙に箔を押すというもの。

扇子を仕上げる上で大切な工程の一つですが、
なかなか伝わらないというもどかしさから、
より多くの方に興味を持っていただけるようにという想いで、
「金彩扇子作家」と名乗るようになったそうです。

アイデンティティを表現する

米原さんが「金彩扇子作家」として目指していることは、
アイデンティティを表現することだとおっしゃいます。
扇子は日本のものというイメージがある中で、
絵が機械でプリントされていたり、
海外ですべてが作られていたりといったものも多くなり、
そこに危機感を抱いていらっしゃる米原さん。

何をもって扇子なのかが分からなくなり、
形骸化しているように感じておられる米原さんは、
ご自身の箔押しというお仕事を、
「日本人が重ねてきた美徳や、自然に対して畏怖を持って共生することで力が出る、
といったことをベースにした国“日本”を、一部でも表現できる技法」と捉えておられます。

矢島も「米原さんご自身のアイデンティティと、日本という国のアイデンティティが和えられたものを、
箔押しから感じてもらいたい、ということですね」と話しておりましたが、
ご自身の技を見つめ、何ができるのかを問い続けていらっしゃる米原さんの姿には、
単なる「働く」ということではなく、「生きる」ための哲学が詰まっていると感じました。

その姿勢は海外での展示会に参加されたというエピソードにも現れています。
世界を広げ、海外に自分のものがどう見えるか、
他の人がどのようなものを出しているかを見て、ご自身の立ち位置を考えたかったのだそう。
扇子だけではなく、パネルに箔押しをして作品を作るなど、
「金彩扇子作家」として様々な活動を行いながら、
原点である扇子と向き合っていらっしゃるのです。

自分の立ち位置を捉え直し、何を本当にしたいと思っているのか。
その姿勢から、まさに「生きる」ことそのものに向き合っておられるのだと感じました。

最後に、「規格化され大量に作られる扇子は、入り口としては必要だと思うけれども、
そういった扇子には個性がない。
印刷や中国の安価な労働力で作った大量生産品ばかりになると、
どこで作っても一緒の扇子になってしまう。
どこかでふんばっておかないといけないところがあると思う。」とおっしゃる米原さん。
まさに、私たち和えるも同じ想いで、今回のお話を伺い、
「日本の伝統を伝える」ということを、より頑張ってまいりたいと思いました。

明日のゲスト

さて、明日9月21日朝6:00からの放送では、
引き続き、米原さんをゲストにお招きします。
明日はどのような米原さんの哲学、仕事観をお聴きできるでしょうか。
どうぞお楽しみに^^

aeru meguro ホストシスター松下

これまでの放送はこちら

◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編後編
●桶屋「近藤」 近藤太一さん(前編後編
●京・地張り提灯専門「小嶋商店」の小嶋俊さん(前編後編
※小嶋さんとは、以前、aeru gojoにて、門川大作京都市長と矢島の3名で、「京都から伝統産業を活性化し、日本全国を元気に」というテーマで鼎談させていただきました。
◯鼎談の様子はこちら
●京友禅ブランド「SOO(ソマル)」代表 日根野孝司さんら4名(前編後編
●京焼・清水焼 絵付け師の田辺桂さん(前編後編
●鳴り物仏具「南條工房」の南條和哉さん(前編後編
●「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん(前編後編
●「弘誠堂」表具師の 田中健太郎さん(前編後編
●陶芸作家の小川文子さん(前編後編
<5週連続 夏休み特別編!京都府与謝野町の工房から>

●「羽賀織物」三代目の羽賀信彦さん(前編後編
●「高美機業場」三代目の高岡徹さん(前編後編
●与謝野町長の山添藤真さん(特別編
※山添さんとは、以前、経済産業省のMETI Journal「政策特集8月 地域の未来」の特集にて、対談をさせていただきました。
◯METI Journalの記事はこちら

◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
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