日本庭園や日本建築に欠かせない竹。
こちらの竹は、和える代表の矢島がDJを務めさせていただいている
「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』
10月12日のゲストとしてお越しくださった、
横山竹材店 取締役専務の横山裕樹さんがスタジオにお持ちくださったものです。

『Artisan’s Talk』は、
京都の若手職人さんや
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などをゲストとしてお招きし、
みなさまのお声をお届けしている毎週金曜朝6時から放送の番組です。

10月12日のゲストとしてお越しくださった横山さんは、
1919年創業の横山竹材店で
京都市の指定工芸品である「京銘竹(きょうめいちく)」を育み作り出す職人さん。
竹のミステリアスな生態と向き合いながら、
まるで子育てをするかのように竹を育んでいらっしゃる様子や、
新しい時代の中で”燃えない竹”を作るという挑戦をされたことなど、
横山さんの技や想いについて伺いました!

子育てするように育む〜ミステリアスな竹と向き合う〜

横山さんのお仕事は、竹を育む環境作りから始まります。
京都の山で竹をとってくるのですが、
まず美しい竹が育つように山を作るのです。
太陽に向けて生えていく竹が真っ直ぐ伸びるように
竹の生えている間隔を見て間引いたり、
太さを調節するために丁寧に伐っていったり。
そして、大きく成長させた竹を傷がつかないように
方向や伐り出す道を確保して伐採を行います。

興味深かったのは、基本的に成長して3年目の竹を伐り出すということ。
横山さんのお話によると、竹は次のように成長するのだとか。
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<竹の成長>
 ※「 」のお言葉は横山さんより^^
1年目:鮮やかな緑だが、竹が柔らかくて弱く、「人間でいう、子どもと一緒」と
2年目:ちょっと硬くなるが、まだ弱い。
3年目:「人間でいうと、20歳くらいの一番油がのった体力のある感じ」
4年目:節が黒い輪のように巻きだして、肌が美しくなくなる
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横山さんは上記のような竹の変化、
特に節を見ながら竹の年齢を把握し、竹を見極めていらっしゃるのです。
ちなみに、竹の節の部分を見るとおおよその年齢が分かるそうで、
1〜2年目の子は、節の部分に白い粉のようなものがついているとのこと。
これは、害虫がつかないように竹自体が生み出した膜だそうです。
ぜひ、みなさま、竹林を歩くことがございましたら、
ご覧になってみてくださいね^^

他にも、番組では、
「竹は最初の3ヶ月くらいで成長しきり、一生の背丈が決まる」ということや、
「1日で最大1mくらい伸びるときがあるが、それがいつなのか分からず、
竹ごとによって違う」ということなど、
様々な竹の生態を教えてくださいました^^
矢島も思わず「ミステリアス!」と竹の生態に驚いておりましたが、
横山さんがお話されるときはいつも竹のことを
「1年目の子」「太い子、細い子」「成長しきった子」など、
「◯◯の子」とおっしゃるのが印象的でした。
aeruの『徳島県から 本藍染の 産着』などを作ってくださっている職人さんも
子育てをされるかのようにお仕事をされていますが、
横山さんも本当に、竹をご自身のお子さまのように想い、
竹と向き合っていらっしゃるのだと感じました^^

京都の伝統を支える

そうして育まれた竹をその後、どのようにお使いになるのか、
まだまだお仕事は続きます。
それは、京銘竹を作るのに欠かせない「炙り(あぶり)」という工程。

焼き窯でゆっくりと弱火で炙り、時間をかけながら
竹の中に含まれる油分を出し、艶を生み出させるのです。
火の上に置いた竹の両側に職人さんが立ち、
焦げないように1本ずつ回していき、
水分がでて竹が汗をかいたら、
綿の布などで拭き取るということを繰り返します。
吹き残しがあると、シミが残ってしまう大切なお仕事。

京銘竹は、茶華道や弓道、剣道で使われる他、
インテリア、建築資材としても使われています。
例えば、茶道では
花生けや茶杓、蓋置きなどにも^^

横山竹材店では、京銘竹の他にも
青竹を活かして造園材を作られ、
竹垣や雨樋(あまどい)といった大きなものも作られています。

茶道 裏千家とも創業当初から代々お仕事を共にされており、
今でもお茶室「今日庵」の竹でできたもののをすべて12月に毎年交換されているのだとか。
京都迎賓館にある日本庭園の竹垣なども、維持するためにメンテナンスを定期的にされるなど、まさに、京都の伝統を支えていらっしゃいます。

燃えない竹を作る〜新たな挑戦〜

2009年からは「燃えない竹」を作る新たな挑戦もされている横山さん。
家業を継がれた13年前、温泉旅館でふと天井を見上げると
竹柄にプリントされた資材が使われているのが目に入ったのだとか。
ホテルや飲食店では、消防法や建築基準法などにより、
どうしても使用に制限がかかってしまうという状況の中、
「インテリアに竹を使うのは日本人独特の感性」を大切にしたいと
「燃えない京銘竹」を作ろうと立ち上がられました。

実は、記事の最初に紹介したこちらの3つの竹も、すべて燃えないもの。
薬剤を含ませることで燃えないようにし、
研究を重ねることで見た目もほぼ同じように作られるようになったとおっしゃいます。

この材を生み出したことにより、13年前に比べ、
お茶室や数寄屋建築などだけに見られていた竹が、
商業施設などても見られるように、使われる幅が広がってきたという
手応えもあるのだとか。

矢島も「安全性と伝統の部分について、折り合いをつけるのが重要な局面を迎えている。
建築が変わってきた中で、時代の変化にも竹をついていかせることができたのですね。」と話しておりましたが、
まさに、現代に竹の魅力を伝えるべく立ち上がられた横山さんの挑戦。
「和食屋さんで竹を見るとお刺身があると思う。
それは日本人が感じてしまう、和の風景。
竹と日本人は、切っては切れない存在なのだなと感じる。」
という横山さんのお言葉も印象的でしたが、
横山さんのお仕事は、日本の風景の一つを次世代につなぐ取り組みなのだと感じました^^

明日のゲスト

横山さんの生み出された竹は、伝統的な日本庭園やお茶室の他、
横山竹材店が営んでいらっしゃる「TAKENOKO」というお店でもご覧いただけます。
竹箸や竹籠、茶杓などを作るワークショップも開催されているとのことですので、
ぜひ足を運んでみてくださいね^^

さて、明日10月19日朝6:00からの放送では、
引き続き、横山竹材店 取締役専務の横山裕樹さんをゲストにお招きします!
明日はどんなミステリアスなお話を伺うことができるのでしょうか。
どうぞお楽しみに^^

aeru meguroホストシスター松下

これまでの放送はこちら

◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編後編
●桶屋「近藤」 近藤太一さん(前編後編
●京・地張り提灯専門「小嶋商店」の小嶋俊さん(前編後編
※小嶋さんとは、以前、aeru gojoにて、門川大作京都市長と矢島の3名で、「京都から伝統産業を活性化し、日本全国を元気に」というテーマで鼎談させていただきました。
◯鼎談の様子はこちら
●京友禅ブランド「SOO(ソマル)」代表 日根野孝司さんら4名(前編後編
●京焼・清水焼 絵付け師の田辺桂さん(前編後編
●鳴り物仏具「南條工房」の南條和哉さん(前編後編
●「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん(前編後編
●「弘誠堂」表具師の 田中健太郎さん(前編後編
●陶芸作家の小川文子さん(前編後編
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<5週連続 夏休み特別編!京都府与謝野町の工房から>

●「羽賀織物」三代目の羽賀信彦さん(前編後編
●「高美機業場」三代目の高岡徹さん(前編後編
●与謝野町長の山添藤真さん(特別編
※山添さんとは、以前、経済産業省のMETI Journal「政策特集8月 地域の未来」の特集にて、対談をさせていただきました。
◯METI Journalの記事はこちら
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●金彩扇子作家の米原康人さん(前編後編
●古橋染工の古橋敏史さん(前編後編

◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
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