2018.11.01
10月26日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜陶芸作家 岡山高大さん〜
11月に入り、各地から初雪の知らせが届く頃になりましたね。
2017年4月から始まった、「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』は毎週金曜朝6時から。その時間帯はだいぶ冷え込む季節になりました。
こちらの番組では、京都の若手職人さんや
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などをゲストとしてお招きし、和える代表の矢島がDJを務めさせていただきながらお話を伺っております。
10月26日のゲストは、陶芸作家 岡山高大(たかひろ)さんをお招きしました!
家業である「岡山製陶所」にて、ご両親と一緒にお仕事をされている他、
作家さんとしてご自身の作品も発表されている岡山さん。
職人さんとして作家さんとして、どのようにお仕事に向き合われているのか、
「自分らしさ」を表現するために生み出された、
ペイズリー柄のお茶碗の誕生秘話などを伺いました!
「職人」として、「作家として」
高校生の時に、家業を継ぐことを進路としてお決めになられた岡山さんは、
京焼・清水焼を家業として作っていらっしゃいます。
家業の「岡山製陶所」の主なお仕事は、
問屋さんから頼まれた商品を作り、納品するというもの。
いかに早く正確に作り続けられるかを第一に考え、技術を高め続けていらっしゃいます。
その一方で岡山さんは、
ご自身の作りたいものを表現する「陶芸作家」としても活動をされているのですが、
この2つは時間の使い方や作り方が違うのだそう。
納品をするお仕事は、産業として成り立つための技術力が求められ、
いわば「職人」として効率や速さが必要になります。
「速く作るためのコツは時間を見ながら作ること。
どの工程で時間がかかっているのかを見て、
それをどうしたら効率よくできるかを考えている」とのことで、
これはどんなお仕事にも活かせそうな視点だと感じました。
一方、作家としてのものづくりは、時間的制限やゴールがなく、
いかに想いに沿って個性を出していくのかが難しいとのこと。
「より自分らしさは出せるのか。何に興味を持っているのか。
興味を持ったのなら、そのどこに持ったのか?関連するのは何なのか?」などを、
ぐるぐると考え続け、「いつも何か足りてへんなという風に思う。」と岡山さん。
行き詰まった際は、情報をインプットするために、
美術館や展覧会などに出向かれ、選択するための情報量を増やされるというお話や、
「一旦、置いておく。紙に書いて残しておいて、一旦忘れる。」とおっしゃるように、
ご自身と向き合われてながら製作されている様子もお話くださり、とても印象的でした。
その中でも面白いと感じたのは、
「職人」としてのお仕事が技術力を高めるのに非常に役に立ち、
頭に思い描いた作品を表現するための技術力として培われているという岡山さんのお話。
上の写真は、aeruの『砥部焼の こぼしにくい器』を作ってくださっている愛媛の職人さんなのですが、aeruものづくりを支えてくださっている職人さんも同じことをおっしゃいます。
『こぼしにくい器』という同じ形を作り続けていただく中で、
今と始めた当時で、作れる数が倍以上になったり、作り方が変わり技術が上がったとおっしゃってくださる方もいらっしゃいます。
「作り続けていたら、他の仕事も速くなって、
作家としての仕事に応用できた」というお声も。
今回、岡山さんのお話を伺い、
「職人」と「作家」の二足のわらじを履くことで、
双方があるからこそ両輪で世界が広がっていく楽しさを感じさせていただきました^^
こちらは、「陶芸作家」として20代の頃から10数年にわたり、
生み出されている、「黒印花(くろいんか)」という作風のお茶碗。
お茶漬け用のお茶碗だそうで、白い土で作られた形に
手作りの判子で模様を付け、黒い土を重ねることで模様が浮き出たようにみえるもの。
一般的に、黒めの土などに判子を押し、白い土を重ねるという技法ですが、
「人と違うことをしなければ生き残れない」という想いで、作り続けていらっしゃるとのこと。
柄は、こだわりのペイズリー柄。
ペイズリーは何か?と歴史や、美術館の絵に見られるモチーフなどを食い入るようにご覧になり、ご自身なりの柄を生み出されたのだそう。
オリエンタルな雰囲気を目指していらっしゃるとのこと。
このような岡山さんの作品は、
京都の泉涌寺~東福寺で開催される大陶器市「第25回窯元もみじまつり」にてご覧いただけるそうです!
11月17日〜25日に開催されるので、
芸術の秋、紅葉の秋に訪ねてみるのも良いかもしれませんね^^
明日のゲスト
明日11月2日朝6:00からの放送では、引き続き、
陶芸作家 岡山高大さんをゲストにお招きします!
どうぞお楽しみに^^
aeru meguroホストシスター松下
これまでの放送はこちら
◯2018年度のゲスト
●「楽芸工房」西陣織 製糸部門 伝統工芸士の村田紘平さん(前編・後編)
●桶屋「近藤」 近藤太一さん(前編・後編)
●京・地張り提灯専門「小嶋商店」の小嶋俊さん(前編・後編)
※小嶋さんとは、以前、aeru gojoにて、門川大作京都市長と矢島の3名で、「京都から伝統産業を活性化し、日本全国を元気に」というテーマで鼎談させていただきました。
◯鼎談の様子はこちら
●京友禅ブランド「SOO(ソマル)」代表 日根野孝司さんら4名(前編・後編)
●京焼・清水焼 絵付け師の田辺桂さん(前編・後編)
●鳴り物仏具「南條工房」の南條和哉さん(前編・後編)
●「齋田石材店」代表の5代目、齋田隆朗さん(前編・後編)
●「弘誠堂」表具師の 田中健太郎さん(前編・後編)
●陶芸作家の小川文子さん(前編・後編)
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<5週連続 夏休み特別編!京都府与謝野町の工房から>
●「羽賀織物」三代目の羽賀信彦さん(前編・後編)
●「高美機業場」三代目の高岡徹さん(前編・後編)
●与謝野町長の山添藤真さん(特別編)
※山添さんとは、以前、経済産業省のMETI Journal「政策特集8月 地域の未来」の特集にて、対談をさせていただきました。
◯METI Journalの記事はこちら
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●金彩扇子作家の米原康人さん(前編・後編)
●古橋染工の古橋敏史さん(前編・後編)
●横山竹材店 横山裕樹さん(前編・後編)
◯2017年度のゲスト
これからの経済を担う京都の若手職人さんたちをはじめ、
経済界の方々や商品を生み出すことや届けることに携わっていらっしゃる方々など。
各回の内容の記事を、こちらよりご覧いただけます。
「Artisan’s Talk」番組詳細
放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエストメッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
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