2017.11.02

10月27日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜九谷焼の福島武山さんと、 三井広報委員会の吉田昌司さん〜

毎週金曜、朝6時から放送されている
「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』
和える代表の矢島がDJを務めさせていただき、
京都の若手の職人さんなどをゲストに、想いや
生き方・働き方について伺っております。

10月27日の放送では特別編として、
九谷焼の福島武山(ぶざん)さんと、
三井広報委員会の吉田 昌司(まさし)さんをお招きしました!
福島さんは、三井広報委員会が2015年に創設した
「三井ゴールデン匠賞」の第1回受賞者でもあります^^
今回は、こちらの「三井ゴールデン匠賞」についてや、
職人として、伝統と革新に挑戦していらっしゃる福島さんのお話などを伺いました。

多様な個性と価値を〜三井ゴールデン匠賞とは〜

三井グループ24社で結成された「三井広報委員会」が2015年に始められた、
「三井ゴールデン匠賞」。第1回目から、矢島が審査員を務めさせていただいております。
放送ではまず、吉田さんから賞の創設の想いを伺いました。

みなさまの中には、スポーツの世界で優れた守備の選手を称える
「三井ゴールデングラブ賞」をご存知の方が多いかもしれませんね。
実は、この賞を45年前から始められているのが「三井広報委員会」。
「なかなかスポットが当てられていない守備の選手にも、注目が集まる機会を」
という想いと同様に、
「人を大切にして、多様な個性と価値を尊重することで、社会を豊かにしたい。
文化・芸術の面でもスポットを当てたいという気持ちで創設した」と吉田さん。

伝統を継承しつつも、未来につながる革新的なアイデアを積極的に取り入れ、
発展されている担い手を称える機会を作りたいとのこと。
放送では、職人の世界はもちろん、
一般の方々にも知っていただけるような賞に育んでいきたいとおっしゃっていました。

挑戦を続ける 福島さんの夢〜いいものとは何か〜

その「三井ゴールデン匠賞」の第1回目にて、
191組もの応募の中から選ばれたのが、九谷焼の赤絵細描(あかえさいびょう)の第一人者である、福島武山さんです。
朱色のとても細かい線で、一つひとつ絵付けをされています。

もともと職人さんの家系のお生まれではない福島さんは、
「新しい九谷焼を開いていこう」という気持ちを大切にされてきたそう。
”売れる”ものとして、
「とにかく、白磁を見せないように全てを赤絵で埋めてほしい」
という依頼がきたこともあるそうですが、ご自身の目指す姿と相反するという想いで、
独自の感性で、技を磨かれてきました。
「白があって赤が引き立つ、赤があって白が引き立つということを追求していきたい」
とおっしゃる福島さん。
優しい口調で語られる、力強い言葉が印象に残りました。

三井ゴールデン匠賞では、
福島さんの、常に新しい九谷焼の世界を切り開いてきたということ、
新たな九谷焼のお弟子さんを育まれていることも評価されたそうです。

エルメスの時計の文字盤を描く仕事をされるなど、
国際的にもご活躍されている福島さんの現在の夢をお聞きすると、
「どうしたら、もっとすっきりしたいいものが作れるかを、一旦立ち止まってやりたい。
いいものは何かを考えて、時間をかけて作りたい。」とのこと。

「次の新しい世界へ、いろいろなものをたくさん見て、人と話をしながら、
原点に戻るような感じで努力したい」という言葉は、私たちにとっても、
身の引き締まる、本当に格好いい言葉で、
いつまでも挑戦をし続ける福島さんだからこその受賞だったと感じました。

ちなみに、こちらの写真は、
ラジオの収録前に京都直営店「aeru gojo」にお立ち寄りくださった、
福島さん。フットワークの軽やかさも、魅力の一つなのかもしれませんね。

作品だけではなく、人を表彰したいということが特長の一つである
「三井ゴールデン匠賞」。
応募資格でも職歴や年数は問うておらず、職人さんを始め、
プロデューサーや経営者など、幅広く伝統産業に寄与されている方が対象です。
2020年にむけて、日本文化への関心が一層高まる今、
みなさま、ぜひご参加くださいませ。ご応募は11月20日までございます。
◯ご応募・詳細はこちら


矢島も「何をもってこの境地に辿り着いているのか、ご自身のチャレンジをしながら、
伝統と革新をつないでいこうとされているのかなど、人を見ている賞なのですね」と話しておりましたが、
私たちも、日々伝統と革新に向かわれている職人さんの想いや技を、
たくさんの人に広く知っていただける機会を生み出したいたいという想いで、
日々取り組んでおりります。
この賞を通して、どのような職人さんとの出逢いが、この世界に生まれるのか、
とても楽しみです。

明日のゲスト

さて、明日11月3日朝6:00〜放送の『Artisan’s Talk』では、
京座布団や寝具をお作りになっている「株式会社 高岡」の代表取締役 高岡幸一郎さんと
雜賀香江さんをお招きします。

身近にあるお座布団やお布団など、どのように作られているのか、
職人さんの技と想いについて、お話をお聴きできるのが今から楽しみです。
みなさまも、どうぞお楽しみに!

aeru gojoホストシスター 中川

これまでの放送内容

●つづれ織り職人 森紗恵子さん(前編後編
●京すだれ本舗「久保田美簾堂」久保田真司さん(前編後編
●京焼「蘇嶐窯」涌波まどかさん(前編後編
●京焼「蘇嶐窯」未来の5代目 涌波優太くん(特別編
●京都信用金庫の専務理事 榊田隆之さん(経済界編)
●漆芸工房「表望堂」島本 恵未さん(前編後編
●「京都 鳴滝 北澤造園」北澤真さん(前編後編
●京扇子「大西常商店」大西里枝さん(前編後編
●京焼「丈夫窯」加藤丈尋さんと新人職人の富澤さん・尾形さん(”お師匠さん”と”お弟子さん” 前編後編
●「株式会社 ウエダ本社」の代表取締役社長 岡村充泰さん(経済界編)
●「嵯峩螺鈿 野村」のむらまりさん、野村拓也さん(前編後編
●特別編「ブータンの伝統継承から学ぶ」
●「山本合金製作所」鏡師 山本晃久さん(前編後編
●竹工房「喜節」竹工芸職人の細川秀章さん(前編後編
●京友禅「丸染工株式会社」型友禅職人の横田武裕さん(前編後編
●京焼の絵付師 林民和さん(前編後編

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエスト&メッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
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