2017.12.21
12月15日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜「中村ローソク」の田川尚史さん〜
いよいよ、クリスマスも週末に近づいてきました^^
今回の「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』のゲストは、
「中村ローソク」の田川尚史(たがわなおふみ)さん。
お話を伺いながら、クリスマスには和ろうそくの灯りを灯して、
みんなでお祝いするのも素敵だなと感じました。
和える代表の矢島がDJを務めさせていただき、
京都の若手職人さんや、伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などの声を
毎週お届けしている、こちらの番組。
12月15日の放送は、ゲストの田川さんより、
和ろうそくの歴史や、それをつなぐための取り組みについて、お話を伺いました^^
『和ろうそく』の癒やしのゆらぎ
1887年に創業、今年130周年の「中村ローソク」の次期5代目でいらっしゃる、田川さん。
京都伏見で、和ろうそくの製造から販売までを行っていらっしゃいます。
和ろうそくと西洋ろうそく。
みなさま、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
それぞれ、原材料が異なり、
和ろうそくは、元々はハゼの実から。
現在は、米ぬかの蝋でできた和ろうそくも、神社仏閣などで使われています。
ちなみに、石油性の「パラフィン」でできているものが、洋ろうそくです。
和ろうそくは、室町時代に作られたといわれ、
灯りとしてだけでなく、「時間の代わりとしても使わていた」と田川さん。
お寺などでお経を読んでいる際に、和ろうそくの本数で、
「1時間経った、2時間経った…」という目安にされていたそう。
和ろうそくが、先人の暮らしの中で、いろいろな役割を果たしてきた点が
とても興味深いと感じました。
和ろうそくの特長の一つとして、田川さんは「癒やしの光」を挙げられました。
和ろうそくの下に開いている穴から空気が入って、風がなくても揺らぐため、
自然と心地よく感じるのです。
「夜、寝る前につけて見ていると心が落ち着く」と矢島も話しておりましたが、
橙色の優しい灯りを見ると、私もとても温かい気持ちになります。
毎月、aeruの直営店にて開催している、「同じ月生まれのお誕生日会」では、
aeruの『滋賀県から 米ぬかの 誕生祝い和ろうそく』を灯し、
みんなでお誕生日をお祝いしております。
まるで、生きているかのような和ろうそくの灯りに、
子どもたちは興味津津。お父さまやお母さま、ご家族のみなさまと一緒に、
温かい時間が生まれるのも、和ろうそくのおかげかもしれません^^
●「aeruみんなでお誕生日会〜同じ月生まれのみんなで、お誕生日をお祝いしよう〜」
【東京】 12月23日/1月27日/2月24日/ 3月31日 ※いずれも10:00〜11:00
【京都】 1月13日/2月10日/3月10日 ※いずれも10:00〜11:00
『和ろうそく』の文化をつないでいくために
「中村ローソク」では、和ろうそくの技術を活かした様々な商品を生み出しておられます。
〇ハゼの実でできた、和ろうそく
〇絵付けが施された、和ろうそく
〇ハンドクリーム など…
特に、絵付けが施された和ろうそくは、
絵師さんや、障害をお持ちの方々にもお手伝いをしていただきながら、
作っていらっしゃいます。
パッと華やぐ、絵付けされた和ろうそくは、東北地方では、お花が1年中なかった頃に、
お花代わりに飾っていたのが発祥だとか。
暮らしを少し豊かにする、先人の智慧ですね^^
そんな、私たちの暮らしの中で身近な存在だった『和ろうそく』。
今ではなかなか使ったことがないという方も多いかもしれませんね。
そこで、、知られていない現状を変えていこうと、
田川さんは、お父さまたちと一緒に新たな取り組みを始めていらっしゃいます。
実は、和ろうそくを作る上で一番の課題となっているのは、
原材料であるハゼの実が、手に入りづらくなってきていること。
「採取している人も高齢で、一刻を迫られている状況。」とおっしゃられ、
京都にてハゼの実を育て、和ろうそくを生み出し使うという、
”地産地消”を目指した取り組みを始めておられるのです。
最終製品を作る職人さんの前に、原材料をとる職人さんの高齢化が進んで
連鎖倒産してしまうような状況は、
和ろうそくの世界だけでなく、様々な伝統産業においても課題となっています。
田川さんらの取り組みが一つのロールモデルとなり、
同じような課題を抱えた産地の中で、原材料供給から目を向けて、
次につなげていこうとする活動が盛んになっていくかもしれません。
京都直営店「aeru gojo」でも、和ろうそくの地産地消を促す取り組みについて、
知っていただけるイベントなども開催できたらと思います。
そうして、原材料に光を当てた取り組みが広がっていきますように^^
明日のゲスト
さて、明日12月21日朝6:00〜放送の『Artisan’s Talk』では、引き続き、
「中村ローソク」の田川さんにお話を伺います。
明日の放送もどうぞお楽しみに!
aeru gojoホストシスター中川
これまでの放送内容
●つづれ織り職人 森紗恵子さん(前編・後編)
●京すだれ本舗「久保田美簾堂」久保田真司さん(前編・後編)
●京焼「蘇嶐窯」涌波まどかさん(前編・後編)
●京焼「蘇嶐窯」未来の5代目 涌波優太くん(特別編)
●京都信用金庫の専務理事 榊田隆之さん(経済界編)
●漆芸工房「表望堂」島本 恵未さん(前編・後編)
●「京都 鳴滝 北澤造園」北澤真さん(前編・後編)
●京扇子「大西常商店」大西里枝さん(前編・後編)
●京焼「丈夫窯」加藤丈尋さんと新人職人の富澤さん・尾形さん(”お師匠さん”と”お弟子さん” 前編・後編)
●「株式会社 ウエダ本社」の代表取締役社長 岡村充泰さん(経済界編)
●「嵯峩螺鈿 野村」のむらまりさん、野村拓也さん(前編・後編)
●特別編「ブータンの伝統継承から学ぶ」
●「山本合金製作所」鏡師 山本晃久さん(前編・後編)
●竹工房「喜節」竹工芸職人の細川秀章さん(前編・後編)
●京友禅「丸染工株式会社」型友禅職人の横田武裕さん(前編・後編)
●京焼の絵付師 林民和さん(前編・後編)
●九谷焼の福島武山さんと三井広報委員会の吉田昌司さん(特別編)
●京座布団「株式会社 高岡」の代表取締役 高岡幸一郎さんと雜賀香江さん(前編・後編)
●西陣織「りんどう屋」代表の佐々木英人さんとお弟子さんの冨山華菜さん(前編・後編)
●「河政印房」京印章職人の河合良彦さん・河合祥子さん(前編・後編)
「Artisan’s Talk」番組詳細
放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエスト&メッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
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