2018.01.11
1月5日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜金物「河長」の吉田高朗さん〜
和える代表の矢島がDJを務めさせていただいている
「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』。
京都の若手職人さんや、
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などの声を
毎週お届けしております。
2018年最初の放送となった1月5日は、金物「河長」の吉田高朗さんをお招きしました。
創業1751年の「河長」の12代目でいらっしゃる吉田さん。
鍋などの「あらもの」を扱う卸・販売に関わるお店として始まり、
時代時代で必要なものを生み出してきたという歴史や、
金物の技術を活かして、新たなブランドを生み出す取り組みについて伺いました^^
金物とは
みなさま、「金物(かなもの)」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
実は、日本建築や家具に欠かせないものたち。
扉を開けるときに使う、蝶番(ちょうつがい)やハンドルなども、金物です。
暮らしの中で重要な部分を担っているようなイメージですね。
「金物で全部決まる」ともいわれる世界、
「直接人に触れ合う部分だからこそ」と、吉田さんはおっしゃいます。
「建築や家具を支え、主役というよりは金物がいないと成り立たない、
そんな名脇役である存在」と矢島も話しておりました。
私も伝統的な家屋や文化遺産の建築を訪ねる際に、
さりげなく施されている金物の存在感に驚かされることがあります。
金物があることで、全体が引き締まるような感覚です。
建築や家具をご覧になる際に、「金物」という名脇役に視点を合わせることで、
新たな世界が広がるかもしれませんね^^
金物で”洋”でも”和”でもないものを作る
日本建築や家具に欠かせない金物ですが、和家具や日本家屋が減ってきている中、
吉田さんは受け継がれた技術を活かすために、
新たなブランドも立ち上げていらっしゃいます。
それが、家紋の形をしたフック。
現代的な技術で金型を起こして量産し、伝統的な技術で仕上げているそうで、
ご自身のお家の洋風の廊下で、靴べらをかけるフックを作りたいと思ったのが誕生のきっかけとのこと。
洋でもなく、和でもない。
そして、実用性だけでなく、意匠性もある、新しい金物のあり方を探っていらっしゃいます。
実用性が重視されがちな現代の中で、
金物が私たちの暮らしに、どのような豊かさをもたらしてくださるのか、
改めて考える時期なのかもしれませんね。
金物の温かさを伝える〜『河長金物絵巻』
金物を製作・販売するだけでなく、「伝えることを大切にしたい」とおっしゃる吉田さん。
「河長金物絵巻」という、手描きの冊子をスタジオにお持ちくださいました。
月という文字をモチーフにした襖の引手や、扇型の釘隠し。
鶴が立っているデザインや千鳥のデザインなど、
現代まで引き継がれてきたデザインを紹介しています。
「金物は金属なので冷たいイメージがあるが、それを変えられたら」という、
吉田さんの想いを感じる、温かみのある内容です。
モノを売るのではなくて、なぜこのカタチなのか、なぜ生まれたのかを伝えていく。
私たち、和えるが大切にしている、「伝える」ことを加速させていけるよう、
こちらの冊子を「aeru gojo」でお預かりしております^^
みなさまにご覧いただけますので、ぜひスタッフにお声がけください^^
明日のゲスト
明日1月12日朝6:00〜放送の『Artisan’s Talk』も、
引き続き、金物「河長」の吉田高朗さんをお招きします。
どうぞお楽しみに!
aeru gojoホストシスター中川
これまでの放送内容
●つづれ織り職人 森紗恵子さん(前編・後編)
●京すだれ本舗「久保田美簾堂」久保田真司さん(前編・後編)
●京焼「蘇嶐窯」涌波まどかさん(前編・後編)
●京焼「蘇嶐窯」未来の5代目 涌波優太くん(特別編)
●京都信用金庫の専務理事 榊田隆之さん(経済界編)
●漆芸工房「表望堂」島本 恵未さん(前編・後編)
●「京都 鳴滝 北澤造園」北澤真さん(前編・後編)
●京扇子「大西常商店」大西里枝さん(前編・後編)
●京焼「丈夫窯」加藤丈尋さんと新人職人の富澤さん・尾形さん(”お師匠さん”と”お弟子さん” 前編・後編)
●「株式会社 ウエダ本社」の代表取締役社長 岡村充泰さん(経済界編)
●「嵯峩螺鈿 野村」のむらまりさん、野村拓也さん(前編・後編)
●特別編「ブータンの伝統継承から学ぶ」
●「山本合金製作所」鏡師 山本晃久さん(前編・後編)
●竹工房「喜節」竹工芸職人の細川秀章さん(前編・後編)
●京友禅「丸染工株式会社」型友禅職人の横田武裕さん(前編・後編)
●京焼の絵付師 林民和さん(前編・後編)
●九谷焼の福島武山さんと三井広報委員会の吉田昌司さん(特別編)
●京座布団「株式会社 高岡」の代表取締役 高岡幸一郎さんと雜賀香江さん(前編・後編)
●西陣織「りんどう屋」代表の佐々木英人さんとお弟子さんの冨山華菜さん(前編・後編)
●「河政印房」京印章職人の河合良彦さん・河合祥子さん(前編・後編)
●「中村ローソク」の田川尚史さん(前編・後編)
●「京菓子司 末富」の山口富藏さん(特別編)
「Artisan’s Talk」番組詳細
放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエスト&メッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
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