京都の若手職人さんや、
伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などの声を
毎週お届けしている、「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』
和える代表の矢島がDJを務めさせていただいています。

1月19日は、京都・山科にある「柴田漆工房」の若き二代目、柴田明さんをお招きしました。
お父様のもとで修行をしながら、
自社ブランド「erakko」を立ち上げた、
起業家でもある職人さんです。

病室でお父さまに話した「継ぎたい」という想い

ビジネスマンをされていた柴田明さんは男兄弟の末っ子。
兄二人も家業を継いでおらず、家族の間でも「お父様の代でこの家業は終わりだ」と思っておられました。
しかしながら、お父さまがご病気で倒れられたことをきっかけに、
「この仕事がなくなってしまうのがもったいない」
「新しいものを何か作ってみたい」
という想いが明さんに芽生え、お父さまの病室で「継ぎたい」という想いを伝えました。

最初はお父さまに反対されましたが、強い決心を伝え続けたところ、
「自分から発信できる、何か新しいことをしなさい」と、
27歳の時に弟子入りを許されました。

お父さまの仕事

 
漆の仕事は大きく3つに分業されています。
下塗り(器のカタチになった木にさらに強固にするための下地を塗る方)
中塗り(漆を塗り重ね、表面をおおよそ滑らかにする方)
上塗り(最終仕上げの塗りを施す方)

お父さまは全ての行程をお一人でできるそうなのですが、
なかでも、茶道具の上塗りを得意とされており、
薄茶を入れる漆器、棗(なつめ)や水差しの蓋の上塗りをされていました。

自社ブランド「erakko」

「erakko」とはフィンランド語で「仙人・世捨て人」という意味だそう。
柴田明さんビジネスマンを辞めた後、自転車で日本一周をしていたスナフキンのような方で、
「erakko」はまるで自身を表している言葉でした。

そんな柴田明さんだからこそ思いついた、
木と漆のみでつくった”アウトドアで使う漆器”。
ムーミンの世界観を意識しながらつくっておられ、
コロンとした丸みのあるカタチがなんともかわいい漆器です。

「おとも椀」

旅をしながら、自分一人や大切な人と共に楽しむお食事のおともになる、
そんな器を作りたいと思って生み出された、「おとも椀」

「拭き漆」という、木地に薄く漆を塗り、木目を活かす技法は、よくけやきの木が使われますが、
5種類の木を使うことで、木の持つ個性を表現しています。
一つひとつの木の表情を見比べることができ、木の持つ個性を知ることができます。
アウトドアで使えるように、5種類すべて堅くて丈夫な木であることが条件であり、下記の木を選びました。
・けやき
・山桜
・楓
・ウォールナット
・みづめ

高台のない、手にすっぽりとおさまるこだわりのカタチ

ぽってりとした優しさを出すために、肉厚なお椀にしました。
それに加えてもう一つ、柴田明さんの「おとも椀」を大切にしてほしい想いが、
このカタチには秘められています。

キャンプでよく使われている銀色の筒型のお鍋、コッヘル。
実は「おとも椀」はこのコッヘルに2つ収納し、持ち運ぶことができるのです!

自然を愛し、木を愛で、
漆を塗ることだけでなく、木をお椀のカタチにも仕上げることができ、
塗師さんも木地師さんもできる柴田明さん。
一つひとつの木を見ながら、どんな子に仕上げようか、
ワクワクしながら製作されていらっしゃいました。

erakkoのホームページはこちら
みなさまもぜひご覧くださいませ。

明日のゲスト

明日1月26日朝6:00〜放送の『Artisan’s Talk』は、前回に続き
「erakko/ 柴田漆工房」の柴田明さんをお招きします。
どうぞお楽しみに!

aeru gojoホストシスター中川

これまでの放送内容

●つづれ織り職人 森紗恵子さん(前編後編
●京すだれ本舗「久保田美簾堂」久保田真司さん(前編後編
●京焼「蘇嶐窯」涌波まどかさん(前編後編
●京焼「蘇嶐窯」未来の5代目 涌波優太くん(特別編
●京都信用金庫の専務理事 榊田隆之さん(経済界編)
●漆芸工房「表望堂」島本 恵未さん(前編後編
●「京都 鳴滝 北澤造園」北澤真さん(前編後編
●京扇子「大西常商店」大西里枝さん(前編後編
●京焼「丈夫窯」加藤丈尋さんと新人職人の富澤さん・尾形さん(”お師匠さん”と”お弟子さん” 前編後編
●「株式会社 ウエダ本社」の代表取締役社長 岡村充泰さん(経済界編)
●「嵯峩螺鈿 野村」のむらまりさん、野村拓也さん(前編後編
●特別編「ブータンの伝統継承から学ぶ」
●「山本合金製作所」鏡師 山本晃久さん(前編後編
●竹工房「喜節」竹工芸職人の細川秀章さん(前編後編
●京友禅「丸染工株式会社」型友禅職人の横田武裕さん(前編後編
●京焼の絵付師 林民和さん(前編後編
●九谷焼の福島武山さんと三井広報委員会の吉田昌司さん(特別編
●京座布団「株式会社 高岡」の代表取締役 高岡幸一郎さんと雜賀香江さん(前編後編
●西陣織「りんどう屋」代表の佐々木英人さんとお弟子さんの冨山華菜さん(前編後編
●「河政印房」京印章職人の河合良彦さん・河合祥子さん(前編後編
●「中村ローソク」の田川尚史さん(前編後編
●「京菓子司 末富」の山口富藏さん(特別編
●金物「河長」の吉田高朗さん(前編後編

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエスト&メッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
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