2018.03.08

3月2日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜陶芸家の加藤美樹さん〜

京都の若手職人さんや、伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などの声を
毎週お届けしている、「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』
和える代表の矢島がDJを務めさせていただいております。

桃の節句を目前にした3月2日は、陶芸家の加藤美樹さんをお招きいたしました!
京都の若手職人さんを応援する、京都市主催「京ものユースコンペティション2017」にて、グランプリを受賞された加藤さん。
その技や加藤さんが職人さんになられた想いについてお話を伺いました。

平面から立体へ〜好きという気持ちに素直に生きる〜

「立体を勉強したことがなかったので、面白そうだな」
その気持ちが、美術大学の進学と、学科を選ぶ際の決め手になったという加藤さん。
幼少期から絵を描くことが大好きで、物心ついた頃から、いつもスケッチブックが側にあったそう。
高校でもデザインコースに通われ、絵と共に育っていらっしゃいました。

加藤さんの作品を拝見すると、確かに繊細な絵が施されています。
こちらは、雪輪の伝統的な文様の形をした豆皿。
「イッチン」と呼ばれる、ケーキのデコレーションのようにして盛り絵を描く陶芸の技法で、
繊細な模様が描かれています。かわいらしさもありつつ、流れるような優雅さも感じますね^^

分業体制になっていることも多い陶芸の世界。
ろくろなどで器の形を作る職人さん、彫りを施す職人さん、
絵付けをする職人さん・・・など、それぞれに異なる技術が求められる中で、
加藤さんはお1人で製作されているとのこと。
絵を描くことが好きという想いから、
大学や職業訓練校にて、ろくろや手びねりなど器の形を作る技術を学ばれ、
京焼の工房にて働きながら作家活動を続けられた後、独立。

「絵を描くキャンバス作りから、キャンパスに絵を描くまで一貫したストーリーがあるのですね」と矢島も話しておりましたが、
「絵に見合う形を作る。自分の形があるから、形作りから自分でやりたいと思った」という加藤さんの言葉を伺い、技術を習得することや”好き”を形にすることへの強い想いを感じました^^

あくなき挑戦を続ける〜3回目のチャレンジで掴んだグランプリ〜

加藤さんは、「京ものユースコンペティション2017」にて、グランプリを受賞!
こちらのコンペティションは、京都の若手職人さんを発掘・支援したいという、京都市さんの想いで2013年に始まり、第1回目から矢島が審査員を務めさせていただいております。
加藤さんは2015年の第3回から挑戦をされ、2017年に晴れてグランプリを獲得をされました!おめでとうございます^^
実に、3度目の挑戦。


何度も応募される中で、着実に歩みを進めて来られた加藤さん。
放送では、その変化してきた想いや技についてお話してくださいました。
ーーーーー
初めて応募された2015年は、
「こんなのが売れやすいのかな、うけやすいのかなという想いが残っていた」とのこと。
自分の畑をどう耕して行きたいかという方向性が見えきっていなかった頃、
プレゼンをして審査員とディスカッションをする中で、「そんな手もあるのか」と視野が広がったそう。

2度目となる2016年は、方向性が見え始めてきたとおっしゃいます。
しかしながら、受賞を逃した加藤さん。
迷走しながら、「なぜ加藤美樹でなければいけないのか」を考え、
作りたいものも確立していきました。

そして、3度目の挑戦となった2017年。
少し楽な気持ちで挑んだとおっしゃる加藤さんは、
作品「奏でる茶碗」にて、グランプリを受賞されます。
ーーーーー
「自分ならでは」の作品を追い続けることで生まれた、こちらのお抹茶茶碗。
彫りやイッチンによる繊細な絵が施され、見るたびに発見があるようなお茶碗です^^

「のびのびと、加藤さんの世界観を楽しく表現されていると感じた」と矢島。
原材料は、きめの細かい石で、その白くてきれいな石の質感をもっと生かした作品づくりをしたいという想いで、
彫りを施したり、釉薬をあえてかけずに素材そのものが現れるようにしたりと、表現技法を追求されたそう。

「つるっとしたガラス質の釉薬の部分と、
焼き締めたマットな質感の融合が面白くなるのではないのか」と加藤さん。
どの面も表情豊かで本当に面白く、ずっと見ていても飽きることがありません。
コンペティションに挑戦をし続けた3年間や、幼少期からの想いが詰まっているように感じます^^

こちらは、改めて、aeruの東京・京都の直営店にてみなさまにご覧いただけるように展示を予定しております。
加藤さんの想いや挑戦に、出逢っていただけますように。
詳細が決まりましたら、和えるのウェブページややSNSにてお知らせいたします。

<和えるのSNS>
○Facebookページはこちら
○twitterはこちら
○Instagramはこちら

明日のゲスト

さて、明日3月9日6:00からの放送も、
引き続き、陶芸家の加藤美樹さんをお招きします。
どのように技術を磨いてきたのか、加藤さんの初期のころの作品についても拝見しながら、お話を伺います。どうぞお楽しみに!

aeru gojoホストシスター中川

これまでの放送内容

●つづれ織り職人 森紗恵子さん(前編後編
●京すだれ本舗「久保田美簾堂」久保田真司さん(前編後編
●京焼「蘇嶐窯」涌波まどかさん(前編後編
●京焼「蘇嶐窯」未来の5代目 涌波優太くん(特別編
●京都信用金庫の専務理事 榊田隆之さん(経済界編)
●漆芸工房「表望堂」島本 恵未さん(前編後編
●「京都 鳴滝 北澤造園」北澤真さん(前編後編
●京扇子「大西常商店」大西里枝さん(前編後編
●京焼「丈夫窯」加藤丈尋さんと新人職人の富澤さん・尾形さん(”お師匠さん”と”お弟子さん” 前編後編
●「株式会社 ウエダ本社」の代表取締役社長 岡村充泰さん(経済界編)
●「嵯峩螺鈿 野村」のむらまりさん、野村拓也さん(前編後編
●特別編「ブータンの伝統継承から学ぶ」
●「山本合金製作所」鏡師 山本晃久さん(前編後編
●竹工房「喜節」竹工芸職人の細川秀章さん(前編後編
●京友禅「丸染工株式会社」型友禅職人の横田武裕さん(前編後編
●京焼の絵付師 林民和さん(前編後編
●九谷焼の福島武山さんと三井広報委員会の吉田昌司さん(特別編
●京座布団「株式会社 高岡」の代表取締役 高岡幸一郎さんと雜賀香江さん(前編後編
●西陣織「りんどう屋」代表の佐々木英人さんとお弟子さんの冨山華菜さん(前編後編
●「河政印房」京印章職人の河合良彦さん・河合祥子さん(前編後編
●「中村ローソク」の田川尚史さん(前編後編
●「京菓子司 末富」の山口富藏さん(特別編
●金物「河長」の吉田高朗さん(前編後編
●「erakko/ 柴田漆工房」の柴田明さん(前編後編
●七宝焼ジュエリー「PEKI!RARIGON」の佐々木真菜さん(前編後編
●「有限会社 箔沌房」澤野井生さん(前編後編

「Artisan’s Talk」番組詳細

放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエスト&メッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
放送から1週間に限り、聴き直すこともできます。
「radiko.jpプレミアム」にご加入いただくと、全国どこでもお聴きいただけます。
全国民放FM52局のラジオ放送を、エリア制限なく聴取できるau公式ラジオアプリ、LISMO WAVEにも対応しております。

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • note