2018.03.22
3月16日放送、FM京都ラジオ「Artisan’s Talk」〜山元染工場の山元桂子さん〜
京都の若手職人さんや、伝統を次世代につなぐ取り組みをされている方々などのお声を
毎週お届けしている、「α-STATION」FM京都のラジオ番組『Artisan’s Talk』。
和える代表の矢島がDJを務めさせていただいております。
春の陽気を感じられるようになってきた、今日このごろ。
3月16日は、「山元染工場」の山元桂子さんをお招きいたしました!
着物に語らせる〜舞台衣装を専門にして染める〜
昭和5年創業、88年続く「山元染工場」は、舞台衣装専門の染め屋さん。
全国的にも、創業から舞台衣装専門にされている会社はとても珍しいそう。
演劇やテレビなど、屋内外の様々な舞台衣装を染めていらっしゃり、
演目ごとの決まりやキャラクターの性格を、衣装で表現されています。
生地の染め方には様々な方法がありますが、
山元染工場さんでは、「型友禅」で生地を染め上げていらっしゃいます。
型紙を用いて染めていくのが、型友禅。
創業当時からの型紙を、大切に受け継がれているそうです。
たくさんの色を重ね、複雑に柄を染めだしていくデザインが多い中、
山元さんはシンプルな柄がお気に入りとのこと。
時代性や人間性も現す柄や色。
歴史をひもとき、積み重ねてきた経験を元に、
舞台の用途やキャラクターごとに、柄や色を選びとるお仕事もされており、
「舞台で表現するために、説明の役割があると思っている」という言葉が
とても印象に残りました。
まさに、着物に語らせる。
お話を伺い、山元さんが手がける衣装にはエネルギーが満ちているように感じました^^
型友禅職人までの道のり
山元さんは現在、旦那様のご実家の家業の染工場で、
職人さんとして働かれていらっしゃいますが、ご本人も大学で染織を専攻されていたそう。
染色について幅広く学ぶ中、
恩師の「京都の工芸の、具体的な技術を身につけておけきなさい。」という一言をきっかけに、手描き友禅を学んだことが、今につながっているそうです。
オリジナルブランドの立ち上げ
山元さんは、2016年に、
オリジナルのテキスタイルブランド「ケイコロール」を立ち上げられました。
染工場で働かれる中、型紙の魅力に惹かれ、
ご自身では「いいな」と思うことがたくさんあるにもかかわらず、
周囲には、それがあまりにも知られていないことに気がついたそう。
ある時、お子さまが通われている保育園で、
ご卒園を迎える子どもたちへの贈り物として、
手ぬぐいの生地を染めてほしいと声をかけていただき、
製作なさったことが、ブランドの始まりだとおっしゃいます。
山元さんは、デザインの中で、色とカタチの構図で「遊んで」いる、のだとか。
ご自身にとって気持ちのいい、色と形のバランスを楽しんでおられるのだそう。
また、染めの業界ではタブーとされることもある「かすれ」や「にじみ」をあえて残され、
「ケイコロール」の作品では、手仕事ならではの表情を楽しむことができます。
「遊びこそ、最もクリエイティブ」と矢島も話しておりましたが、
仕事で”遊ぶ”を実現できると、それは、とても良い仕事につながるのかもしれません。
ワクワクしている人から、ワクワクするものが生まれる。
それは一つの挑戦であると感じました。
山元さんの作品は、4月8日〜21日の間、
京都直営店「aeru gojo」にて、
みなさまにご覧いただけるよう、展示を予定しております。
詳細が決まりましたら、和えるのウェブページや、
SNSにてお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに^^
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明日のゲスト
さて、明日3月23日6:00からの放送は、引き続き、
「山元染工場」山元桂子さんをお招きします。
どうぞお楽しみに!
aeru gojoホストシスター中川
これまでの放送内容
●つづれ織り職人 森紗恵子さん(前編・後編)
●京すだれ本舗「久保田美簾堂」久保田真司さん(前編・後編)
●京焼「蘇嶐窯」涌波まどかさん(前編・後編)
●京焼「蘇嶐窯」未来の5代目 涌波優太くん(特別編)
●京都信用金庫の専務理事 榊田隆之さん(経済界編)
●漆芸工房「表望堂」島本 恵未さん(前編・後編)
●「京都 鳴滝 北澤造園」北澤真さん(前編・後編)
●京扇子「大西常商店」大西里枝さん(前編・後編)
●京焼「丈夫窯」加藤丈尋さんと新人職人の富澤さん・尾形さん(”お師匠さん”と”お弟子さん” 前編・後編)
●「株式会社 ウエダ本社」の代表取締役社長 岡村充泰さん(経済界編)
●「嵯峩螺鈿 野村」のむらまりさん、野村拓也さん(前編・後編)
●特別編「ブータンの伝統継承から学ぶ」
●「山本合金製作所」鏡師 山本晃久さん(前編・後編)
●竹工房「喜節」竹工芸職人の細川秀章さん(前編・後編)
●京友禅「丸染工株式会社」型友禅職人の横田武裕さん(前編・後編)
●京焼の絵付師 林民和さん(前編・後編)
●九谷焼の福島武山さんと三井広報委員会の吉田昌司さん(特別編)
●京座布団「株式会社 高岡」の代表取締役 高岡幸一郎さんと雜賀香江さん(前編・後編)
●西陣織「りんどう屋」代表の佐々木英人さんとお弟子さんの冨山華菜さん(前編・後編)
●「河政印房」京印章職人の河合良彦さん・河合祥子さん(前編・後編)
●「中村ローソク」の田川尚史さん(前編・後編)
●「京菓子司 末富」の山口富藏さん(特別編)
●金物「河長」の吉田高朗さん(前編・後編)
●「erakko/ 柴田漆工房」の柴田明さん(前編・後編)
●七宝焼ジュエリー「PEKI!RARIGON」の佐々木真菜さん(前編・後編)
●「有限会社 箔沌房」澤野井生さん(前編・後編)
●陶芸家の加藤美樹さん(前編・後編)
「Artisan’s Talk」番組詳細
放送局:「α-STATION」 FM京都
放送日時:毎週金曜日 朝6:00-6:25
リクエスト&メッセージはこちらから。
放送エリア:京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県の5府県
(FMラジオチューナーを通じてお聴きいただけます)
※なお、パソコンやスマートフォンでラジオが聴ける「radiko.jp」では、
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